事例選定

スーパービジョンについての研修に参加する予定がある。
参加者は事例を一つ用意し、グループワーク用にコピーを持参せよとのこと。

これはつまり、グループワークでは各参加者はその事例をもってスーパーバイザー役に助言をもらう、あるいはグループでピア・スーパービジョンを行うというわけだろう。
となると、自然に相談ができるような、いわゆる困難事例が良さそうだ。

そう思って、さてどの入居者さんにしようか……と迷った。

施設内で、ケアの方向性や方法などについて悩むのはしょっちゅうである。
しかし、そうしたケースでは単なる事例検討になってしまいそうだ。
と言って、ご家族さんらも含めた上で困難を感じているケースは、考えてみたら今はないな……

さてどうしたものか。今日の夜勤中に用意しておかないと間に合わない……

金八講演

研修での講演についての話。

「この言葉は、こういう文字(言葉)から成り立っています。つまりこういう意味なのです」という話によく遭遇する。

私もそれほど長く生きているわけではないので確信はないが、こうした文字に関する箴言のようなものを最初に用いたのは、『3年B組金八先生』ではないかと思う。金八先生のこうしたセリフをいくつかネットで探してみた。

「人間」っていうのは、人と人の間で生きているから、「人間」っていうんじゃないかな。

「歩」という字は、少し止まると書く。

正しいという字は「一つ」「止まる」と書きます。どうか一つ止まって判断できる人になって下さい。

……などなど。
(これらのセリフが本当に劇中で使われているという確証は取っていないので悪しからず。)

こうした箴言もどきは演じていた武田鉄矢本人も気に入っているようで、

『うらやむ』の語源は、『裏』が『病む』、つまり、裏の心が病んでいるということ。今のあなたは病にかかって、幸せな他人を見つけることが上手で、幸せな自分を見つける才能がゼロの状態。

などと言うことがあるようだ。
もちろん、これらの多くは、文字や言葉の成り立ちという意味では多くが正しくない。例えば「歩」という文字は左右の足の形から生まれているらしい(参考)。
「うらやむ」の語源はこの通りのようであるが。

もちろん聞く方だって、そんなことはわかっている。日常的に目にし使っている文字や言葉の構造に、これまで自分が思いもしなかった解釈が付与されるという経験が、それまでは意味のなかったものに意味が与えられる知の快感に似た感覚を与えてくれるのだ。
この気持ち良さは、例えば講演の最後に持ってくることで講演自体への印象すら左右するので、なかなか秀逸なテクニックと言える。
さらには、具象性に欠ける精神論に、目に見えるわかりやすさを与えることができるので、介護という仕事とはとても相性が良い。

もっとも、こうした文字や言葉の構造に絡めた箴言の類は、介護とは関係なくテレビなどでもよく見るようになった。現在講演をするような立場になっている世代の、『金八先生』の影響が垣間見えるというものだ。

またもう一つ講演のテクニックとして、名言や詩などをそのまま引用するというものもある。金八先生がよく坂本竜馬の話を出していたように。
もともとの言葉の持つ素晴らしさや発した人の権威を借りて自らの主張に説得力を持たせるのは古くから行われていることなので、決して悪いことではないが、「これは私が言う~~と同じなのだ」となるとさすがに苦笑いせずにはいられない。

ということで、講演でそういう話に遭遇すると、「あーまた金八講演だ」とか思う私なのであった(^-^;;

あ、もちろん『金八先生』は名作ですし、講演の内容の良し悪しとは関係のない次元の話ですよ。念のため。

認知症介護実践者研修

件名の研修を受けることになった。

これは、「認知症介護実践者等養成事業実施要綱(平成18年3月31日老発第0331010号厚生労働省老健局長通知)」に基づいて都道府県が実施するもの。
グループホームや認知症対応型デイ、小規模多機能の管理者になるには受講しておく必要があるし、これを受講しておかないと、例えばグループホームで通いや泊りを行うのに必要となる「リーダー研修」などが受講できない。
(じゃなかったかな? ここ自信がないので、確実な情報が必要な方は調べてください(^-^; )

私が受講する理由は、今後うちの法人が事業を拡大していくにあたり、後々必要になってくることもあるだろうから……ということになる。
先だって法人内別事業所から2名がリーダー研修を受けたのだが、その際うちの介護事業部責任者が、私にも受けさせておこうと思いついたようだ。

さて、その研修を受講するに当たり、事前に資料を提出するようにと言われた。以下のようなものだ。

次の3つのテーマから1つを選択し、そのテーマに基づいた内容で、現在あなた自身が考えていることを書いてください。
A) 自施設の取り組みについて
B) 利用者のケアの見直しについて
C) 地域・家族支援の取り組みについて
<問題意識>現在の業務の中で、認知症ケアに関しての問題意識は何ですか?
<目的>問題を解決する目的は何ですか?
<方法>具体的にどのように取り組もうと考えていますか?

私が考えすぎなのかもしれないが、この文章はちょっとわかりにくい……

「認知症介護実践者研修」なのだから、Aの「自施設の取り組み」というのは当然認知症ケアに関してのものだろう。とするとBの「利用者のケアの見直し」というのは? Aは多くの利用者さんへの共通のケアを想定していて、Bは特定のケースに関してということでいいのか?

それに「認知症ケアに関しての問題意識は何」って日本語として変。「認知症ケアに関しての問題は何」もしくは「認知症ケアに関して問題意識を持っていることは何」のどちらかにしてくれ。

まあ、そんなことにこだわっていても話が進まないので。

テーマがABCと3つ用意されている理由は、受講者には施設職員もいれば居宅サービス事業所職員もいるし、地域福祉の仕事をしている者もいるからだろう。
問題、それを解決する目的、そして具体的な取り組み方法を書かせるということは、研修の大きな流れとしては

各人に取り組む問題を明確にさせる
 ↓
グループワークで多くの人の意見を聞く
 ↓
それを参考に実習で問題解決に向けた努力をする
 ↓
結果を報告会にて報告

となるのだろう。そうすると、問題意識を持っていることと聞かれて迂闊に答えてしまうと、改善するのに多大な努力を要するような大きな課題に取り組まざるを得なくなるわけだ。
例えば、うちの施設の問題は、認知症に関する知識が職員によってまちまちであり、またどの方にはどういう対応を、というケアの方針も施設内で周知徹底されていないことだ……なんて書こうものなら、施設内研修やら何やらでえらいことになる。

……とか考えてしまう自分がイヤ。

そうは言っても、ここは現在うちの施設で対応を検討中の方について書いておき、研修での成果をケアカンファレンスに持ち込む、ぐらいが穏当だろう。
ということで、とある方について書かせていただいたのであった。