病院と施設の間

発熱や食欲不振により総合病院を受診、レントゲンや血液検査などの結果、レントゲンで異常はないがCRP値や白血球数が多く、体のどこかが炎症を起こしていると思われるが、場所は特定されずに肺炎もしくは尿路感染の疑いということで入院。
ついでに脱水も起こしていたりする。

抗生剤と点滴での治療が開始される。しかし認知症があり、点滴を抜去してしまう可能性が高いということで抑制される。もちろん排泄はオムツ。

やがて解熱し、食事も摂れるようになってきたので退院となる。

褥瘡とまではいかなくとも、陰部の皮膚状態はかなり悪化している。
また認知症も入院前よりも進行している。

やがて、また食欲が低下し……

こんな話はもう何度も見聞きしてきた。

施設は、病院は何をやってるんだと思う。
認知症の周辺症状をさらに悪化させ、褥瘡を作り出す。

しかし病院も、施設は何をやってるんだと思っているのではないか。
水分摂取すら充分にさせずに、入院せざるを得なくなってから、「では、お願いします」と病院へ受け渡しているだけではないのか……

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利用者さんの物を無駄遣いするな

介助行為を行うにあたっては、利用者さんが費用を負担している物品を使用することがある。
例えば特定施設では、オムツ代は利用者負担として構わないこととされている。

これは、大げさに言えば、資産を委託されていることである。無駄遣いすることは許されない。それはお預かりしているお金を勝手に使うことと大差ない。

しかしこうした意識を持っている介護職員は少ない。うちの施設では、一人もいないかもしれない。

一例。
オムツ交換の際に、側臥位にすると尿が出てしまい、シーツが濡れてしまうことがある方。そのため、交換時には体の下に新品のパッドを敷いて、備えている職員がいるらしい。

これは必要な用途だろうか?
私の感覚では無駄遣いである。オムツ交換の前に腹圧をかけておくとか、側臥位にした際に清拭布等を股間に挟むとか、方法はいくらでもありそうなものだ。

このようなパッドの使い方は、自分たちがかけるべき手間を、金銭的負担として利用者さんに押しつけることに他ならないのではないか。

規模とサービス

一般的に、あくまで一般的に言えば、施設の規模が小さいところ、ユニットケアを行っているところの方が、個別の対応がしやすい。
これは排泄ケアなどだけではなく、外出の支援も同じことが言える。

逆に、例えばお祭りのようなイベントを大掛かりに行うのは、ハード・ソフト両面から難しい。それは大きな施設には敵いようがない。

うちの施設は定員が29名であり、実のところ、規模としては大規模と小規模の中間、どっちつかずな感じである。
だから、大規模と小規模のいいとこ取りをしたかった。

以前、それが実現しかけたことがあった。しかし今は明らかに後退している。
まず何よりも人手がない。介護の正規職員は夜勤ばかりでほとんど日中にいない。

毎月の行事も、担当者が休日出勤して行うのは当たり前。日常の中で外出にお連れするのは難しい。

人手を何とかしなければ。
しかし求人をかけても応募がないのだから、もう手詰まりである。

在宅復帰を目指して

久しぶりに、とある入居者さんのことを書こうかと思う。
これまで以下のエントリで書いた方だ。

精神疾患のみによって要介護状態となった方
確認行動
確認行動その後
疾病利得
電車で受診
アフターサービス

最近は、もうすっかり穏やかに過ごされている。
確認行動もなくなった。ただ日課を決められた時間にこなすことに執着していて、その時間に始まらないと激しく怒られる。施設としては、あらゆる日課について「○○は必ず○時から始める」などと決めてはいないし、それは何百回となく伝えているのだが、やはり頭で理解はできても、心で納得はできないようである。

職員と一緒に屋外の物干し場に行って洗濯物を干したり、取り込んでたたんだり、食事の前後に食堂のテーブルを拭くといった作業も、ご自身の日課の一つとなっているようだ。
電車やバスでの受診は、施設側の都合によって行われなくなってしまった。つまり、それだけ時間をかけて付添えるだけの人手がないのだ。あくまで一時的なこと……と思っていたが、一向に解消される気配はない。
この方に限らず、外出の支援ができない。自宅に戻って衣類などを持って来たい方もいれば、買物に行きたい方もいるのに、それができないのだ。

さて、この方は今年も要介護認定の更新では要介護1の判定が下り、少なくともあと1年近くは入居していられることとなった。
しかしご家族さんはやはり家に帰ることを希望されているようだし、来年の更新で要支援となってしまって突然家に帰ることになるよりは、備えておいた方が良いに決まっている。

まずは第一歩として、薬の自己管理を始めていくこととなった。提案したのは看護師なのか管理者なのかは知らない……たぶん聞いたのだろうが忘れてしまった。
主治医に相談したところ、「一週間分ずつ渡すのならば良いでしょう」とのこと。おそらく、そのくらいなら万が一まとめて全部飲んでしまうようなことがあっても、生命に危険はないだろうということなのではと思う。
それに従い、今では一週間分ずつご本人さんにお渡ししているが、きちんと飲めているようである。以前、薬への依存が強く、勝手に持っていこうとしたため、医務室や、各フロアの一時保管場所に施錠せざるを得なかったのが嘘のようだ。

今後は、少しずつご自宅で過ごせる時間を増やしていくといったところが望ましいだろう。しばらく住んでいなかったので、掃除や庭の手入れをするなど。そうして「これはいけそうだ」となったところで、居宅のケアマネさんを探しサービスを計画していくと。

そろそろご本人さんやご家族さんにそういう話をしていこうと思うのだが、最近はご家族さんもあまり健康状態が良くないようなので少し躊躇している。
それに、正直に書いてしまうと、今はほとんど手のかからない状態になっているので、経営上はこのままできるだけ長くいていただいた方が有り難いのである。しかも私個人としても、入所にまつわる業務に時間を割いている余裕はなかなかないのだ……何しろ月の2/3は夜勤が連続し、残りの1/3は請求と月次業務で終わる。
が、うちの看護師は、援助の必要がない方が入居されているのをあまり好ましく思わないので(実にもっともな意見だとは思うが)、やはり在宅復帰を進めていきたいようだ。そこに無言の圧力を感じずにはいられない今日この頃である。

さて、最後に。
この方については、ご本人さんでなく職員の側にも困ったことがある。
自分のプライベートなことを話すのは、まあ、ある意味その職員の勝手だが、他の職員の噂話やら内部の事情やらを喋るのは拙い。どうもそういった境界線が分からない者がいるようだ。

今日、受診の付き添いでの車中、「新しい職員がなかなか入って来なくて大変ですね。職員さんはみんな、『知り合いを紹介したくても、うちは給料が低いからとてもできない』って言ってますよ」などと言っていた。

やれやれ。

管理者は週末に休むな

ハッとした。

こんなイギリスからのツイートを見た。

私なりに意訳すると、

多くの老人ホームでは、マネージャーがいるのって月曜から金曜だけだよね?
でも多くの家族は、週末に面会に訪れるよね?
これっておかしいと思わない?

といったところか。

イギリスの老人ホームで、マネージャーというのが具体的にどんな仕事をしている者を指すのか、それは定かではない。想像するに、日本で言うなら管理者かケアマネといったところだろうか。

とすれば、日本でも同じだ。多くの施設では、週末には事務室は閑散としてしまう。相談員や事務員が1人2人いるくらいだ。

理由はもちろんある。行政機関や取引先の業者、他のサービス事業所なども週末には休みとなることが多いからだ。その結果、ご家族さん以外の来訪者も電話もほとんどないので、ならばそこで休んでおこうと考えるのはよく理解できる。

しかしそれは顧客よりも、自分たちの都合に合わせていることではないか?
サービス業としてそれでいいのか?

実際、週末には多くのご家族さんが面会に訪れる。平日には仕事がある方が多いのだから当たり前だ。そこで何かお話があっても、責任者がいなければ、「週明けに確認します」となってしまいがちである。
よって対応が遅くなってしまう。直接話をすることもできない。

これは利用者本位ではないのではなかろうか。

うちの施設の場合、特に平日と休日とを分けて考えてはいない。
もっとも最近では、そもそも事務室勤めは管理者と私しかいない。休日といえども事務室を空っぽにするわけにはいかないので、平日も休日もなく、どちらか一方が事務室にいるようにと勤務が組まれている。
ただし最近はお互いに夜勤に入っているので、事務室が空になってしまう日が出ている。
これはいかんなあ……

しかしこればかりは人を増やしてもらわなければどうにもならない。