非常識

介護の仕事が一人前にできない人は、どんな仕事に転職しても同じだ。一人前の仕事などできはしない。
これは私の10年に及ぶ経験則である。

こう言うと、介護なんて誰でもできると言っているかのように思われるかもしれないが、必ずしもそうでは……いや、そういうことなのか、結局は。
一般常識をわきまえてさえいれば、たとえ優秀な介護職員とまではいかなくとも、少なくとも一人前とみなされるようにはなる。

では逆に、介護職として優秀な者が他の仕事に転職したら?
こちらの例はあまり多くを知らないのだが、皆、新しい職場でも評価を受けているようである。

そもそも介護職員には、社会人として必要なことが欠如した、非常識な人間が多い。
以下、はっきり言えば「介護業界にはびこる非常識人あるある」である。

・空欄だらけの履歴書を送ってくる。職務経歴書などもちろんなし。
ハローワークで何を教わってきたのか? 本当に仕事を探そうという気はあるのか?

・無断欠勤を重ねたあげく、連絡が取れなくなる。
携帯に電話しても出ず、折り返しもせず、中には携帯の番号を変える者さえいる。「退職します」とひとこと言えば済むことなのに。

・お客さんに対して言って良いことと悪いことの区別がつかない。
プライベートな話、職員の噂話などを平気でする。

・義務は果たさないが権利は主張する。
職務規定も守れないくせに、有給休暇の取得は労働者の当然の権利だと主張するとか。

・報告がない。
遅刻しても自己申告しないなど。

介護の仕事では、家族を養っていくだけの収入は得られない。それは厳然たる事実。
しかし介護で一人前の仕事ができていない者では、仕事を変えても、今以上の収入はまず無理だろう。そもそも介護業界の中でも、例えばケアマネを取得するなど、それなりに収入を増やす手段はあるのに、それすらできない者が、他の仕事で成功するわけがない。

転職したはいいがうまくいかず、やがてはアルバイトに身をやつし、消息を聞かなくなる。
私はそんな例を何度か見聞きしてきた。

相談員やりませんか

このご時世、「介護職員募集」で求人をかけてもなかなか人は集まらない。
そこで考えた。「生活相談員募集」ならどうだろうか? と。

相談員は、少なくとも私がこの仕事を始めて間もないうちは、なかなかの人気職だった。老健で求人をかけた時には多くの応募者が集まったものだ。
未経験者も多く、なかなか即戦力になると見込める人材は少なかったように記憶しているが、介護職をしていて、キャリアアップを望む中で相談援助職をと考える者もそれなりにいた。
結局、介護職では給与に限界がある。相談援助職を経て管理者へとステップアップしていけば、収入も増やせる、と。

多くの事業所では相談員は外部から新たに雇い入れるのではなく、介護職員の中から任命する、というパターンが多いと思う。その事業所の現場のことがわからないのでは、相談援助がうまくできるはずはない。
入居者さんやご家族さんから何か言われると、申し訳なさそうな顔で聴き、それに対して「これからはこうするように」と現場に押しつけるだけでは困る。
実際、相談員の募集は、デイサービスを除けば、あまり目にすることがない。ということは、逆に狙い目なのかもしれないではないか。

順番として、相談員として雇用し、並行して現場に入っていってもらっても構わない。とにかく求めるのは資格や経験ではなく人柄である。

そこで先日出した求人広告では、生活相談員および介護職募集、としてみた。業務内容は相談援助、事務、介護などから希望と適性を考慮の上で決定、と。

で結果はというと。

応募が来ねえ……(。´Д⊂)

事業所が開設してからの年数と就職・転職

私はこれまで、介護の仕事を初めてから、大まかに分けて3つの事業所を渡り歩いてきている。「大まかに」というのは、それとは別に短期間の出向などもあるからだ。

最初の職場は、私が入職した時には開設して1年ほど経っていた。2つ目は開設時、いわゆるオープニングスタッフとして。そして3つ目、現在のところは、開設して1年半というところだった。

一般に、開設してから長く経っていればいるほど、システムがしっかり作り上げられているため、新人職員は楽である。既にあるものを覚えればいいのだから。
しかしそれは同時に、既にあるものを変えていくのは難しいということでもある。つまり悪しき慣習が存在していれば、それを改めさせるのは容易ではない。

一方、オープニングスタッフは、新たに自分たちが作り上げていかねばならないことが多いので、その点は大変だ。しかしこれも、逆に言えば自分のやりたいようにやりやすいということでもある。また、事業所のオープニングに備えることは自分にとっても勉強になる。嫌でも法令などを当たらなければならないのだから。

それと、もう一つ重要なのは。
既存の施設では、職員の人間関係も既にできあがっていることが多いので、その中に入っていくことは、人付き合いが苦手な人間にとってはかなりの苦痛だったりするようだ。その点、新規の事業所であれば、多くの職員が初めて顔を合わすことになるので、そういった苦労は少なくて済むだろう。

以上は、ある程度の経験を積んでから転職する場合であって、未経験であれば、やはりある程度は開設してから年数の経っている事業所を選ぶべきだ。
しかし経験がなければ事業所の良し悪しなど前もって判断できるはずもなく、あまりよろしくない事業所に勤めてしまうと、悪い習慣が身についてしまう。このあたりは完全に運だと思うが、介護事業所では一般的にその事業所の責任者が面接を行うことが多いので、その者の印象が悪い事業所は、えてしてサービスもそんなものだ。

かれこれ10回くらいは面接を受けている、私の経験では。

人を相手にした仕事

会社の壊れたPCをもらってきた。使えるものは再利用しないと勿体ない。

状況から見て、不調の原因として怪しいのは電源ユニットである。いずれにしても今時275Wでは心もとない。スリムケースも個人的に好きではないので、自前のATXミドルタワーケースにマザーボードを載せかえた。

DVDドライブも壊れていたので、使っていなかったDVD-RAMドライブとCD-RWドライブを使うことにする。本体内に無駄に広い空間ができたが、まあメンテナンスしやすいに越したことはないか。

HDDのパーティションを切りなおしてOSを再インストール。現在セットアップ中である。
最近Linuxを触っていないので、久しぶりにLinuxとWindowsのデュアルブートにするのも楽しいかもしれない。

それにしても、フロントパネルケーブルの接続場所が分からず、ネットでマザーボードのマニュアルをダウンロードして接続位置を確認したりといった作業をしていて思った。
楽しい。

私は、介護の仕事をする前は技術系の仕事をしていた。
モノを相手にした仕事は、問題にぶつかっても原理を知れば自ずと答えも分かる。うまくいかないのにははっきりとした理由がある。曖昧なところがない。
しかし、人間はそうはいかない。どこまで行っても答などない、実に曖昧な存在である。モノを相手に黙々と仕事をするのに飽きてきた私は、その曖昧さが懐かしくなり、次は人と接する仕事をしたいな、と思ってしまったのだ。

私は大学では人を相手にした学問を学んでいたし、在学中はずっと某有名デパートでバイトしてきた。しかし自分にはどうも人を相手にするのは向いていないと思い、モノを相手にしてきたのだが、再び人間相手に戻ってきたことになる。
そのことを後悔はしていないが、それでも時々、モノを相手にした仕事が懐かしくなることがある。人間相手の仕事に疲れてしまうのだろう。

介護の知識も生かして、業界内でSEみたいな仕事ができないかな……などと時々妄想してみたりもする。

試用期間

採用に当たり、試用期間を定めておくことはごく当たり前のことである。選考に充分な日数と回数、時間をかけることができる新卒採用時とは異なり、中途採用では1回の面接だけということが多く、そこでその人の能力や適性を正しく評価することはまず不可能だ。

介護業界も多分に漏れず、試用期間を設けるのが普通である。しかし私がこれまで経験した範囲では、試用期間を終えたところで正規採用を見送る、というケースは一度もなかった。介護の仕事は、真に必要とされる水準に達するためには高い能力と適性を必要とするが、最低限しなければならないことをこなすだけなら、はっきり言って誰にでもできる。ましてや、この人手不足の中にあっては、背に腹はかえられないのだ。

新人職員が、自ら試用期間中に退職を願い出る、ということはよくある。仕事が合わなかったり、あるいは人間関係など……いずれにしろ、普通は自分に合わない仕事を、良好でない人間関係の中で続けていこうとは考えない。
そのため、私も試用期間についてはよく知らなかったというのが正直なところだ。

しかしこの度、まさにそういうケースに遭遇してしまった。
昨年末に採用したのだが、まず欠勤が異常に多い。月に5日以上欠勤する。早番の日はまず出勤してこない。
そして業務遂行能力に完全に欠如している。履歴書によると、介護職の経験は10年以上に及んでいるのだが、実際は何もできない。文字通り何もできないのだ。オムツ交換一つとっても、手順を知らないだけでなく教えても覚えられない。こんな人には初めて会った。

それでもやる気はありそうだ、というのが大方の意見であった。
確かに勤務中は、異常に手際が悪いながらも真剣にやっているように見える。しかし、1日の業務の流れを記したチェック表を見ることもなく、メモ帳の類さえ持ち歩かないのでは、やる気を疑われても致し方ないだろう。ましてや欠勤が多いとなれば。

そこで先日、介護事業部門責任者が直接面接し、解雇予告を行った。結果、その日以降出勤してきたのはわずか1日である。
それでも正規採用を希望しているらしく、電話で正規採用ができない理由を文書で示して欲しいと言って来たらしい。何か法的手段を採ることでも考えたのだろうか。

ここでは、世の中には色々な人がいるものだ、と平凡な一言を述べるに留めておこう……

さて、そこで試用期間について調べてみた。
試用期間中といえども、自由に解雇することはできない。入社して14日を超えたら、労働基準法上で定められた解雇予告の手続きが必要とのこと。
なるほど、試用期間中だからといって、「明日から来なくていいよ」というわけにはいかないようだ。しかしこれでは何のための試用期間なのかと言いたくもなる。結局、本当の試用期間は14日間であり、そこで見極めておけば、残りの試用期間中に無駄な人件費を払わなくて済むということになりそうだ。

いずれにしろ、「文書で示してくれ」と言ってきてくれて逆に助かった。誰がどう見ても採用を見送るのは当然であるから、期間が終了する前にきちんとした準備をしておくことができる。それに私も勉強になった。
試用期間中であっても解雇となるので、辞めてもらうためには正当な理由が必要となる。そのためには、しっかりと業務を評価し記録しておくことが望ましいと言えよう。

それにしても、この人手不足はどうにかならないものか。
我々が苦労するだけならまだいい。しかし本当に不利益を蒙るのは、単に人手が不足していることによる質の悪いサービスを受けることになる、要介護高齢者の方々に他ならないのであるから。