第3表、第4表

老企第29号で提示されている施設サービス計画書の標準様式の第3表と第4表だが、皆さまはどのように作られているだろうか。

介護保険施設で、第1表と第2表はきちんと作っているが、第3表もしくは第4表がなく、実地指導等において指導を受けるというケースが散見されるという話を聞いたことがある。

第3表は「週間サービス計画書」、第4表は「日課計画表」であり、「選定による使用を可能とする」(老企第29号)とされていて、どちらか一方のみで可である。本当ならば、入浴やクラブ活動、ご家族さんによる訪問と支援など、週単位で計画ができる方が、社会性が感じられると言って良いように思う。しかし施設ではなかなか曜日によってメリハリを付けるのは難しい。そのため日課計画表を用いているところが多いのではないかと思う。

うちの施設でもそうだ。第4表の日課計画表を使っている。
ユニークかなと思うのは、それをそのまま毎日の記録用紙の一部にして、日課や行うべき援助を書き込んでおき、行ったら○を付けたり、排泄の時間や量なども記録していることである。そのため、実際の生活と乖離しているということは全くない。

これは密かにお勧めしたい方法である。

有効期間と目標期間

エントリ「目標期間の設定」で、老企第29号で「期間の設定においては「認定の有効期間」も考慮するものとする。」とあることについて書いたが。

介護保険施設や特定施設、グループホームでは、認定が更新され、そこでたとえ介護度が変わったからと言って、普段の生活で変化することは何もない(要支援になるなど、継続利用が不可能となる場合は別として)。だから有効期間に縛られる意味はあまりないのでは……そう思っていた。

しかし考えてみれば、目標の期間を有効期間に合わせておくことは、うっかり更新申請を忘れてしまい、認定が切れてしまうことを防ぐ意味もあるのだ。
実のところ、今日、プランの更新作業をしていて、「あれ? この方そろそろ認定期間切れるけど、認定調査来たっけ?」と思い、慌てて確認したことがあった。結果としてはちゃんと更新手続きをしてあったのだが、もしもしていなかったら、大変なことになるところだった。

自分で勝手に決め付けてしまうことは良くないな、と改めて思った。

記録とモニタリング

介護保険サービスの提供は、ケアプランに基づいてなさなければならない。それは居宅サービス計画でも、施設サービス計画でも同じだ。

であるなら、サービス提供の記録は、必然的にケアプランに定められた援助を実際に行ったことを記すものになるはずである。居宅の場合、訪問介護や通所介護の記録は、行った援助にチェックを入れる形式になっているところが多い。自由記述式では記録するのに時間がかかるので、こうして簡略化するのは理に適っていると言えよう。

一方、施設での記録は、完全に自由記述式のところが多く、そのためケアプランに定められた援助については全く言及されないことさえあり得る。それはすなわち実際に行われている援助とケアプランとが乖離しているから……とは一概には言えない。定められた援助が行われていても、それが書かれていないだけの場合もあるだろう。
だがそれでは、サービスを直接提供している職員が、自分たちの行っている業務の正当性、妥当性を記録から証明できないことになりはしないか。

もちろん、自由記述式にはメリットもある。施設では24時間、連続してサービスを提供しているので、様子を詳細に書いておくことで情報の共有に役立つ。これはチェック式の記録ではできないことである(もちろん、訪問介護や通所介護の記録書式にも、そうしたことを書き込める欄も備わっているものだが)。

こうした点を踏まえ、うちの施設の記録は両者を折衷している。各々の入居者さんの記録用紙にはケアプランの援助内容を転記し、それぞれの援助について、実際に行ってみてどうだったのかを記録してもらっており、機能訓練や排泄介助などにはチェック方式も採用した。

私が個人的に目指しているのは、記録さえ読めば、それがすなわちモニタリングとなるくらいの情報量を持つ記録だ。

もちろん実際には、モニタリングの際には直接入居者さんに会って満足度や新たな意向などを聴取する必要がある。もっとも、特定施設入居者生活介護の運営基準では、モニタリングについては以下のように定められているのみである。

(基準省令第184条第6項)
計画作成担当者は、特定施設サービス計画作成後においても、他の特定施設従業者との連絡を継続的に行うことにより、特定施設サービス計画の実施状況の把握を行うとともに、利用者についての解決すべき課題の把握を行い、必要に応じて特定施設サービス計画の変更を行うものとする。

介護保険施設であれば、モニタリングは計画担当介護支援専門員が直接利用者に面接して行うことと定められているのだが、特定施設やグループホーム(介護予防は除く)では簡単なものだ。

うちの施設では、入居者さんに担当を付け、ケアマネジメントの一部をやってもらっている。それはエントリ「ケアプランチーム」などで書いた通りだが、いくら計画の原案作成に関わる者が直接サービスを提供していれば日々モニタリングをしているようなものだとは言っても、とある援助に対しての反応が、自分に対してだけという可能性もある。そこで毎日の記録を前述したように援助内容別にしておくことで、普段から、周りの職員はどのようにしているのかということも知ることができるわけだ。

という感じなのだが、さしあたっての問題は、私が各担当の行う作業をチェックしアドバイスしたりする時間がないことである。皆の作るプランもそろそろもう一段階高いレベルにしたいのだが、何しろ私が現場に入るのと月次業務に追われているのとで余裕がないという……

スケールを使う

750近くもエントリを立てていると、介護に関することはもう一通り書いてしまったような気さえする。
だが、それでも時々「あ、このことまだ書いてなかった!」ということが見つかる。実際、まだまだ書いていないことは多いはずである。

今日は評価尺度について書こうと思う。

私が最初に努めた老健では、新しい方が入所されると、看護師が転倒リスク評価(どこかの病院が作成したものを改変していたはず)を、介護士がDBDスケール(Dementia Behavior Disturbance Scale)を施行していた。
また、相談員である私は、入所申込の段階でZarit介護負担尺度を行うことが多かった。家族が介護をどの程度負担に感じているかを知ることは、在宅復帰を検討していく上で参考になったからである。
医師も適時、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)を施行していたはずだ。

評価尺度には2つのメリットがある。1つは、評価を主観的でなく客観的なものにできること。もう1つは、経時変化が把握できることだ。
老健では、主に前者の目的で行っていた。今の私は、後者の目的で行うことが多い。

つまりアセスメントの一環として、認知症の進行が特に懸念される方にはHDS-Rを、周辺症状のある方にはDBDを施行している(と言っても、実際にはDBDを取っておこうと思えるほど周辺症状の強い方はあまりいないのだが)。そしてモニタリング・再アセスメントの際に再度施行して、変化を見るわけである。
また介護付有料老人ホームではご家族さんが感じている負担を測る意味はあまりないのだが、ご本人さんとご家族さんの関係性を推し量る意味で、Zaritを施行したこともある。これは必要があってというよりも、ほとんど好奇心みたいなものでしかないかも。

前者の目的では、うちの施設では全く活用されることはない。そもそもうちの施設でHDS-Rや、ましてやDBDなど知っている職員はいないだろう。
主治医にFAXで連絡するついでに、「HDS-Rで何点でした」ということを書いたことはあるが、あまり役には立てられていないだろうなあ、と思う。

ケアマネジメントを科学たらしめるには、客観的な指標は不可欠である。これからはもっと活用されるようになっていくべきだと思っている。

DBDスケール
1379498273

Zarit介護負担尺度
1379498279

課題整理表

平成24年度介護支援専門員研修改善事業報告書を公表します
http://www.jri.co.jp/page.jsp?id=23352

社会保障審議会介護給付費分科会や介護保険部会において、介護支援専門員が適切なアセスメントができていないのではと指摘されており、それを受けて「介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する検討会」が開かれていることは、ここでも何度か触れている。

また、それと併せ、ケアプラン様式の見直しも行われてきているのはエントリ「居宅サービス計画書の新様式案」などで書いたが、再び日本総研から、調査(笑)の報告がなされたわけだ。

とにかくケアマネはアセスメントができていないというのが、まず大前提にされてしまっている。そこで、アセスメントの一部を統一した書式に転記させ、ニーズを導いた理由がサービス担当者たる専門職、そしてケアマネにアドバイスする者たちにわかりやすいようにしようというわけだ。

私は、ケアマネが適切なアセスメントができていないというのは、国の決め付けに過ぎないと思っている。
地域ケア会議を軌道に乗せるため、それを行うための理由付けとして、ケアプランを検証する必要があるのだと皆に思い込ませたいだけではないか、と。
もちろん、アセスメントができていないケアマネだっているだろう。しかし、他の要因、つまり医師や居宅サービス事業所の側の事情によって、望まれる援助ができていないケースだって多いだろう。

まあ、いずれにしろ1年前に引き続いての報告であり、課題整理表が導入されるための道筋は着実に辿られている。今さら「こんなもの負担が大きいだけで役に立たない」と言い出したところで、時既に遅しといった感が否めない。

もちろん、実際には、ケアマネがニーズを導き出した過程をチーム内で共有したり、スーパービジョンを受けるためには、こんな書式など改めて作る必要はない。ケアチームが、クラウド上で情報を共有すれば良いだけのことである。サービス担当者会議には、皆がノートPCかタブレット端末を持って参加すればいい。

ただ、それだけの話なのに。