介護事業所のウェブサイト

今やウェブサイト(我が国ではホームページと呼ばれることが多い)を持っておくことは、全ての法人が当然に行うべきことと言えよう。
名刺に例えられている文を読んだ覚えがあるが、大いに頷けるというものだ。

介護事業所の場合、ウェブサイトは誰を対象に作るべきなのか。

介護事業所では、法人間の取引は業務の一部を委託したり、物品を購入するなど、あくまで顧客としての立場である。ごく限られた例外を除けば、法人にサービスを提供することはない。
対象は利用者さん(ご家族さん)、そしてケアマネさん、それに地域の方々である。

利用者さんは、高齢ということもあり、直接の閲覧者とは想定しにくい。しかしご家族さんがサイトを見て連絡をくださることはままあり、それは今後もっと増えていくだろう。
現在のところ、とりわけ介護保険施設は、市場のニーズが供給をはるかに上回っているため、わざわざ宣伝しなくともお客さんはいくらでも来る。しかし居宅サービス事業所や我々のような有料老人ホームでは充分に役立つ。

ケアマネさんに知ってもらうということも重要だ。ケアマネさんの紹介により、入居を申し込みに来られる方は多い。
さらには、地域の方々に知ってもらう役に立つかもしれない。
あと、忘れてはいけないのが求職者である。応募する前に、法人や事業所について情報収集するのは今やあたりまえといえよう。

これらのことを踏まえ、見せたい対象に合わせた内容を考える必要がある。現在の多くの介護事業所のウェブサイトは、閲覧者が欲しい情報よりも事業者が見せたい内容ばかりだ。
極端な話、介護事業所のサイトで立派な理念を掲げていても、そんなものは誰も読みたくないのである。少なくとも私は読んだことなどない。
それにスタッフが利用者さんの活動を支援しながらにっこり微笑んでいるイメージショットも見飽きた。誰が、それを事業所の日常風景だと思うというのか。

閲覧者が知りたいのは、まずは問い合わせ先と担当。これは単に名前を書いておくだけではなく、人柄が垣間見えるような工夫が必要だ。写真に簡単な自己紹介くらいは添えておこう。
それに料金。制度に基づく複雑な料金体系を詳しく記すだけでは部外者には理解できないので、実際にいくらぐらいかかるのかをはっきり書く。
そして実際のサービス。法令ではどのように定義されているかなどどうでもいい。

私も介護施設のサイトを作ったことがあるので、閲覧者に優しくないサイトになってしまう理由も分かる。正確に書こうと思えば、法令に準じた言葉を使うしかないのだ。分かりやすい言葉で書こうとすると、誤解を招きかねない不正確なものになってしまう。

介護事業所のサイト程度なら、外注せずともスタッフの手作りで良いと思う。が、90年代の個人サイトによくあった絶望的なセンスはさすがに拙いので、それができるスタッフを抱えた事業所はほとんどないだろう。
また、当たり前だがSEO対策、つまり検索エンジンで上位に来るよう金をかけるのは無駄だ。地道に運営していれば、自然に上位にあがってくる。

実際のサービス、そしてスタッフの人柄を見るのに、ブログを設置するのは有効だ。と言うよりも、今やスタッフブログのないサイトなど片手落ちである。
結局、閲覧者が知りたいのは建物やサービスよりも、「人」なのである。働いている人の見えない介護事業所のサイトに魅力はない。

実のところ、私もうちの施設のブログを更新しているのだが、前の担当者の文体を意識した、当たり障りのない内容しか書いていない。法人内の別事業ではもっとユニークなブログをやっているので、うちもチャレンジしてもいいかなと思うが、まあ私は一般感覚が欠如しているので多分やらかすだろう。

それに、そんな時間もないけどね。

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