施設による医療ニーズへの対応

平成24年度老人保健健康増進等事業「介護サービス事業所における医療職のあり方に関する調査研究事業」
http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=145617&name=2r98520000034m9i_1.pdf

上記の資料より、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、特定施設入居者生活介護において、医療的ケアを受けている方がどのくらい利用されているかを見てみる。

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「胃ろう・経鼻経管栄養による栄養管理」は特養12.1%、老健10.3%で、特定施設は3.4%と明らかに低い。こうしたケアの必要な方は、ADLが全介助で意思の疎通も取りにくい方が多いので、特定施設のメリット(個室であること、希望があれば容易に外出できることなど)を生かしにくいだろうから、頷ける結果である。これは特定施設では対応が難しい、ということを必ずしも示してはいない。

中心静脈栄養、気管切開はやはりどこの施設でも無理らしい。うちの施設では以前中心静脈栄養を行っている方がいらしたが、恒常的にはやはり難しい。

酸素療法は、特養1.0%、老健0.8%であるのに対し、特定施設は1.3%である。微々たる違いといえばそうなのかもしれないが、特定施設では医療と介護が比較的分離しているので、必要な医療を受けやすいということを示していると思う。老健のように酸素の材料費が施設負担となることもないのだから。

驚きなのは、特定施設に透析の方が少ないことである。特養1.2%、老健0.8%に比して、特定施設では0.5%しかいない。
透析の方は特養や老健ではまず受け入れてもらえない、ということはこのブログで何回か書いたように思う。一番の理由は送迎の手間だが、医師の問題もある(このことはこれまで敢えて書かずにいたのだが……)
人工透析を受けられている方は、透析にさえ通えばあとは他の方と全く同じ程度の医学的管理で良い、というわけにはいかない。血液検査も頻繁に行う必要があるし、そもそもカリウムによって突然心臓が止まるリスクもあるので、専門医でない施設医師や嘱託医としては敬遠したくなって当然である。しかし特定施設であれば、透析に通う先の医師に主治医になってもらえばよい話だ。
透析に通う際の送迎も、特定施設であれば実費負担で可能である。経済的に恵まれていない方には厳しいが、最近うちの地域では、無料で送迎してくれる、透析を行っている医院がある。ただ全国的にどうなのかはわからないが。

特定施設はこうした医療ニーズへの対応を何より押し出していくべきだと思う。そして看取りへの対応も。
「医療ニーズが高くなっても最期までお世話させていただける、ベストな終の棲家です」というのが、現在では特定施設のあるべき姿ではないのか。

ただ、現状ではその後に「お金が払える方にとっては、だけれど」という一文が、どうしても付いてしまう。こればかりは否定しても仕方のないところである。

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