サ高住のメリットとデメリットを考える

先日のエントリ「介護給付費を当てにしているサービス付き高齢者向け住宅には近寄るな」は、あたかも全てのサ高住を否定しているかのように見えるかもしれない。
しかし、私が非難しているのは、限度額いっぱいサービスを使ってもらうことを前提に必要のないサービスを押しつけること、そして今後の見通しのない経営方針、その2つだけである。

実際、サ高住にはどんなメリット、デメリットがあるのだろうか。今日はそれを考えてみたい。
長所と短所は表裏一体であることに注意。また、特に記してはいないが、比較の対象として想定しているのは特定施設である。
(サ高住も特定施設の指定を受けることができるが、ここではそうした施設は除外して考える。)

1. 介護保険サービスが、計画に従って提供される。
 ○:必要な時に必要なだけ利用することができる。
 ✕:必要のないサービスが組まれる可能性がある。また、飲食や排泄の介助など、短時間で回数の多い介護には不便。

2. 介護保険サービス費用が、提供したサービスの量と内容により決まる。
 ○:必要なサービスが少なければ、その分費用負担も少なくて済む。
 ✕:必要なサービスが多くなると、区分支給限度額内では収まらなくなり、自己負担分が膨大になって、時には数十万円にも上ることさえある。

3. 介護の提供者が、本体である施設の従業員、訪問介護事業所の従業員、通所介護事業所の従業員……と多岐にわたる。
 ○:各々の職員が、それぞれの専門性を発揮できる可能性がある。
 ✕:連携や情報共有に手間がかかる。

4. 人員配置基準が緩い。
 ○:各々の施設の実情に応じた柔軟な人員配置が可能。
 ✕:介護保険外でのサービスを充分に提供できるだけの人員が、配置されていないことがある。

5. とりわけ、看護師の配置義務がない。
 ○:(メリットなし)
 ✕:日常的な健康管理、特に下剤や緩下剤の調整、浣腸や摘便による排便コントロールが困難。
 また経管栄養、インスリン注射などが必要な方も事実上入居できない。
 さらに施設での看取りが難しくなる。訪問看護サービスで補うにしても、例えば訪問看護師が点滴を開始し、それを施設職員が片付けるといったことさえできないのでは不便。さらに本人の状態を見て主治医や訪問看護ステーションに連絡するか、それとも施設職員が経過を観察するかといった判断を適切に下すことは、看護師以外の者にはほぼ無理である。

6. 利用できるサービスが多い。
 ○:介護保険で福祉用具貸与、訪問リハビリテーションなども利用できる。
 ✕:(デメリットなし)

まとめると、以下のような方がサ高住に適していると言えるだろう。

・状態が急激に悪化することなく、介護度が低いままで長期間推移する方(ただし、それを前もって予測することは非常に困難であるのは言うまでもない)
・あくまでも、比較的元気なうちの一時的利用であり、医療ニーズが大きくなれば退所しても構わないと考えている方。
・夫婦での入居や、家族の頻繁な訪問によって、家族による介護量が確保されることが見込める方。
・多彩なサービス、とりわけ訪問/通所リハビリテーションを利用したい方。

そうでない方は、特定施設を選択した方が絶対に得策である。
くれぐれも、サ高住に終の棲家を期待しないことだ。

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