離設対応/対策マニュアルとは

このブログを開設して間もない頃からずっと、検索エンジンでどんな言葉で検索してここを訪問されたのか、そのログで常に上位を占めているものがある。
「離設」である。

また「離苑」という言葉も少なくない。「○○苑」という名の施設では、このように呼んでいるということなのだろうか。
「離設 マニュアル」というように、「マニュアル」という語を並べられることも多い。

試しに今「離設」でググってみたら、私のブログ(エントリ「離設対策」)が一番目に表示された。なるほど、そういうことね。

離設。
私が最初に勤めた老健では、施錠された認知症専門棟からの「離棟」が稀に起こっていたが、「離設」という言葉を初めて聞いたのは、この仕事を始めて数年経ってからだった。ある日、隣の特養から、入所者さんが出て行かれたという報告が入り、私も捜すのに協力した。その時である。

前掲のエントリでも、この「離設」という言葉には馴染めないと書いたが、私はどうも認知症の方の行動に専門の用語を付けるのが好きではない。例えば「徘徊」「帰宅願望」のように。
その理由は、その方それぞれに原因があって起きていることを、一つの言葉で括ってしまうことに抵抗があるからだろう。たぶん。
「離設」も、落ち着かずに歩き回っている過程で建物から出て行ってしまうのか、家に帰ろうとしているのか、どこか特定の場所へ行ってやりたいことがあるのか、単に施設が嫌なのか等、様々な理由があるはずだ。

……という個人的な話はさておき。
要介護高齢者、ことに認知症の方がお一人で外に出られることが危険なのは言うまでもない。一刻も早く発見できるよう、発生した際にどのように対処するのか、それをマニュアル化しておくことは必要である。
うちの施設でも、以前に発生したのを踏まえてマニュアルを作成した。内容をごく簡単に説明すると、

① 発生したら速やかに管理者に連絡
② 管理者は連絡網を用いて職員に協力を呼びかける
③ 各階1名ずつの職員を残し、その他の者は携帯電話を携行して捜索に参加
④ ご家族さんに電話。その際に、防災無線を用いた捜索で氏名を出してよいかを確認
⑤ 警察と消防に通報(110、119ではなく普通の電話番号へ)
⑥ 警察が情報をもらいに来るので、フェイスシートの一部を渡す

というようなものになっている。

また、そもそも発生しないように予防策としてのマニュアル化も、できるのならそれに越したことはないだろう。うちの施設の場合、玄関などを施錠することはしないし、結局は入居者さんそれぞれに対応方法も異なってくるので、そちらのマニュアルは作成していない。

予防策として最も確実なのは、もちろん建物の出入り口を施錠しておくことだろう。
居室の扉を施錠すれば身体拘束、そして虐待に当たることは疑いがないが、建物そのものの扉を施錠しておくことは、今のところこれらに該当するとは考えられていない。このあたりの話は、以前エントリ「鍵のかかった建物」で書いたので、ここでは繰り返さない。

建物から出て行かれることへの予防策としては、やはりマニュアルを作るのではなく、ケアプランで対応することを、《一人の施設ケアマネとしては》お勧めしたい。

どうして出て行こうとされるのか。
出て行こうという気持ちを抱かせないためにはどうすればいいか。
出て行こうという言動が発現した際にはどうすればいいか。
万が一出て行ってしまわれた場合、いかにしてそれを速やかに察知するか。
出て行かれたことを速やかに察知した場合、職員はどう行動するか(気付かれないようにしばらく跡をつけるのか、すぐに追いついて同行するのか等)。

こうしたことを、各々の利用者さん単位で考え、多くの職員が意見を出し合い、決めておくことが望ましいと思うのである。

(参考エントリ:離設対策

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