経営者・管理者こそマズローの理論を学ぶべき

以前、エントリ「マズロー」で、マズローの理論が介護において好んで採り入れられている理由を書いた。今日は利用者さんへのケアではなく、職員のモティベーションについて、マズローの理論から考えてみる。
(上記のエントリにマズローの理論をごく簡単に紹介しているので、ぜひ押さえてから以下を読んでいただきたい。)

介護の仕事は、多くの事業所で、最低限これだけできればよい、というレベルがさほど高くないのが現状である。その点では、「誰にでもできる仕事」という言い方は間違っていない。
しかし、本来求められているレベルは高く、到底「誰にでもできる」ようなものではない。天性の素質と努力が必要とされる。素質が非常に高いため改めての努力など不要、という者も皆無ではないだろうが、多くの者は、自らの素質の程度に見合った努力をしなければならない。
その努力を支えるのは、専門職として成長したいというモティベーションである。

マズローによれば、上位の欲求は、下位の欲求がある程度満たされないと現れない。介護の仕事をする上でも、給与や福利厚生によって間接的に生理的欲求や安全の欲求が満たされ、仲間と協働することで所属の欲求が満たされ、上司や同僚から仕事ぶりを認められることで承認の欲求が満たされ、といったことが必要になる。

つまり。
自分の待遇に強い不満を抱いている者は、より高次の欲求である、所属や承認の欲求に動機づけられない。
自分がその組織の一員であることに喜びを見出せない者は、良い仕事をして認められたいとは考えられない。
上司や同僚から能力や業績を評価されていない者は、職業人としてさらに成長し、やりがいや充実感を得ようとは努めない。
ということだ。

ところで、欠乏欲求に動機づけられている状態は、他人への敵意に心を満たされてしまうことがある。他人を批判したりしている人間は皆この段階にある。それは孤独感や他人に称賛されたいという欲求の裏返しだ。
成長欲求に動機付けられ、自己実現を目指している者は他者に寛容だ。興味がより上の次元にあるのだから。そしてこの段階になければ、本当に他人を思いやって働くことなどできない。

現在の介護業界は、その待遇の悪さから、生理的欲求や安全の欲求さえ充分に満たされていない者が多い。これで、協働を図り、誇りの持てる仕事をしろと言っても無理な話だ。

マズローの理論は、現場の職員はもちろんだが、経営者も頭に入れておいた方がいいのではないか。

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