認知症について知ること

今さらではあるが、私は認知症に関心がある。もちろん現代では、そういう人は少なくないだろう。介護の仕事を選んでいる者ならばなおさら。

認知症について知ることによって、目の前の方に対してより良いケアができるようになりたいと願うのは、介護職員にとってごく自然なことである。
ただ、それが全てというわけでもない。

病気を知ることは、逆説的に「健康な状態とはどういうものか」を知ることでもあるからだ。
例えば、不眠症という病気によって、人が睡眠を取らなくなったらどうなるのかを知ることができ、睡眠の持つ意味を垣間見ることができるように。

認知症も、原因や症状、心理を知ることによって、脳の中ではどのようなことが行われており、我々が世界をどのように見ているか、それを推し量ることができる。

これは周辺症状や精神疾患も然りだ。

つまり、結局は人間、とりわけ自分のことを知りたいという、古からの学者が持つ動機と同じだ。

認知症は脳が損傷する、だから意味のないことを言い、する。そんな説明では少しもすっきりしない。
認知症の方も、自分とそうは変わらない。衰えた能力が重要なものだったために、生活に支障が出ているだけのことだ。
認知症はどうにもならない病気で、幸い自分はそのような状態にはなっていない。そう考えていると、自分と相手の間に線を引き、自分だったらいい気持ちはしないだろうと思えることをしてしまうことになる。

認知症を知ることで、自分のことが知りたいのだ。

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