不適応行動への対応方法

現在、自分の書類を事務室・自宅でスキャンしPDFファイルにすることによって、ペーパーレス化を進めていることは何度か書いている。
今日、以前に受けた認知症介護実践研修(実践者研修)で配布された資料をスキャンしながら、当時のことを思い出した。

例えば、そうした認知症に関する研修か何かで、認知症の方にみられる不適応行動(例えば食後間もない時間に、食事を食べていないから、食べものが欲しいと訴えられるなど)について、認知症の方を騙したりはぐらかしたりせずに対応するにはどうすればいいのかと質問したとする。

そこで返ってくる答えは、「認知症の方とひとことで言っても一人ひとり違い、同じ行動でも、現れる理由が違っている。だから対処方法は教えられない」というものだ。
実際に私がこういう質問をしたわけではないが、実践者研修でも、講師の方々が口々にこれと似たことを口にされていたのは確かである。

正論である。が、質問する方も、そんなことは分かっているのだ。

その上で、例えばどういう原因と、対応法があり得るのかを知りたいのである。
成功例を聞いたからといって、「なるほど、そうすればいいのか」などと、誰に対してもうまくいくかのように誤解するはずもないのに。

「なぜそうした行動が現れるのかを、きちんとアセスメントすれば答は見えてくる」

こう言っては何だが、誰でも言えることだ。

そもそも、アセスメントはどこまでやっても、それで完全ということはあり得ない。一人の人間を、言語で説明し尽すのは不可能である。
例えば、プライドが高い方に対して、自尊心に配慮した対応をするのは基本である。しかし、場合によっては、ストレートに話すことが効果的なこともある。

得てして、認知症ケアで功を奏するのは、アセスメントによってではなく、試行錯誤だ。

思うに、介護業界では、実際に認知症の方を介護する仕事に就いたことがなく、せいぜい相談援助職や管理者の経験しかない者が、「認知症介護とはこうあるべき」と語っていることにも原因がありそうだ。
つまり、自分が直接、試行錯誤したことがないのに。

アセスメントを重視しすぎるのは、それによって、自分は対象となる方を理解できるという自惚れである。

もちろん、アセスメントなど必要ないと言っているわけではない。その方を理解し、共感しようという努力は大切である。
しかし、それに縛られず、試行錯誤してみるのもまた大切なことなのだ。そのためには、対応法の例を数多く知っておいた方が、発想の助けになる。
何より、想像力が乏しい職員(とりわけ経験の浅い者)には、具体例を示すことでこそ、理解も深まるのではないか。

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