認知症の定義が変わる

何を今さらという話だが。
認知症は英語でdementiaという。これはラテン語のdemensという言葉に由来し、de+mens、すなわち精神・心がないという意味であり、古くは狂気を表していたと言われる。
実は、「痴呆」「呆け」よりもさらに差別的な言葉であるのかもしれない。

そんな理由から、今年に改訂され第5版となったDSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)、つまりアメリカ精神医学会のガイドラインでは、dementiaという名称が変えられるなんていう話をどこかで読んだが、結局どうなったのだろうか。

DSM-5では、認知症の定義で、記憶障害が必須ではなくなったという。確かに認知機能に障害のある方で、目立った記憶障害がみられない方はいるものである。
代表的な例はレビー小体型認知症だろう。最初にアルツハイマー型認知症と診断されるタイプの方は、まず記憶障害が現れているが、パーキンソン病と診断されるタイプの方は、記銘力はかなり保持されていることもある。

DSMの定義が変われば、日本での「認知症」の定義も、多少なりともそれに影響されるのではないか。
この結果、認知症と診断される方は、これまでの予想を上回る勢いで増えることになるかもしれない。

これによる影響は2つ考えられる。1つは、正しい診断がなされることによって、より多くの方が適切な治療を受けられるようになる可能性。もう1つは、事実上定義が広がることによって、認知症と診断されて薬物療法の対象となる方が増える可能性である。

いずれにしろ、これからは「認知症には記憶障害が必須なので、あの方は記憶障害がない以上は認知症ではない」と言いにくくなったのは確かだ。

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