高齢者と貯蓄

総務省統計局が毎年報告している『家計調査年報(貯蓄・負債編)』の平成23年版で「世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況」を見てみよう。
http://www.stat.go.jp/data/sav/2011np/pdf/gk03.pdf

世帯主が60歳以上の世帯は全体の47.0%であるが、貯蓄全体の64.6%を占めている。こうした世帯は増える傾向にあり、そのため貯蓄全体に占める割合も増加している。
さらに、貯蓄現在高が2,500万円以上の世帯が全体の3分の1を占めているのである。

この理由は、若い世帯では貯蓄を初めてからの年数が少ないこと、そして何よりも住宅ローンの影響であると思われるが、いずれにしろ日本で最も貯蓄をしているのは高齢者であると言えそうだ。

ただ、貯蓄現在高は平均値が2,287万円であるのに対し、中央値は1,542万円である。つまり、一部の高齢者が多額の貯蓄を蓄えているだけで、全体として「日本の高齢者は豊かである」とは言えないのである。実際、貯蓄が200万円未満の世帯も10%以上存在しており、経済的に困窮している世帯も少なくはない。

高齢者が貯蓄をしていることを悪いと言っているのではない。実際、現在の日本では、それなりに豊かな老後を送りたいと思えば貯蓄に頼るしかない。収入はその多くを年金に頼っており、しかもその額が充分ではないのだから。
しかも老後の資金は「これだけあればまず大丈夫」という金額をあらかじめ見積もっておくのは難しい。何歳まで生きるか、どんな病気にかかるかなど誰にも分からない。そのため、「蓄えはあればあるほどいい」と考え、貯蓄額が増えていくのだろう。

だが、もしも年金額が充分で、医療や介護など社会保障がきちんとしていれば、それほど蓄えておく必要はないはずだ。

蓄えるよりも消費した方が経済は動く。
多額の貯蓄を抱えていて、死亡した時に相続税で取られるよりも、消費して生活を楽しむ方が日本の経済全体から見ても好ましいのではないか。

高齢者が貯蓄をせずとも良い社会が私の理想である。
もちろん今の日本ではそうは言っていられないので蓄えるしかないが、北欧のように福祉制度への安心感があれば、必死に溜め込む必要はなくなる。
年金で生活し、万一の際にはその年金の中で、自宅で介護を受けたり施設へ入所できる。特殊な事情によりそれが難しい方には生活保護で救済する。
現在の生活保護費の額では、老人ホームの個室には入れない。これでは老人ホームは生活の場ではなく収容施設になってしまう可能性がある。しかしこれを避けるためには、保護額をそこまで上げるよりも、やはり年金額を上げるべきではないかと思う。
また老人ホームの個室の費用も、建設コストを見直すことで実はもっと安くできるはずと思っているが、それはまた別の話。

ここまで来るともうそれは資本主義ではなく社会主義ではないのかという気もしないではない。
別に私は社会主義を支持しているわけではない。ただ、資本主義にあっても、大きすぎる格差はやはり是正しなければならないと感じる。
私自身は、このままだと年金では有料老人ホームへ入居するのは厳しい。と言うか無理である。自宅を売却するかリバースモーゲージで補うしかないかなと思っている。
また毎月住宅ローンを払い、期間を短縮するために時々繰り上げ返済もしている中で、貯蓄や投資での資産形成も試みている。多くない給料の中で頑張っている方ではないかと思う。

ただ時々、

「何も考えずにもっとおいしいもの食べに行ったり、旅行したり、買い物したりしてえ!」

と思ってしまうのもまた事実なのである。

と言うか最近、経済とかの話が多くて、ただでさえ数少ないこのブログをご覧になってくださっている方が離れて行ってしまうのではないかと心配していたりする。
やっぱりもっと介護のことを書いた方がいいかな?

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