以前に勤めていたデイサービスでは、毎日のサービスの開始時に、職員が利用者さんの前で少し話をしていた。
「今日、○月○日は○○の日です。これは……」
「○○で○○という行事が行われていますね。行かれたことはありますか?」
「そろそろ畑では○○の収穫時期ですが、○○を使った料理というと……」
など、ちょっとしたことを話すだけだったのだが、これが毎日、結構なプレッシャーだったのを思い出す。話題は、新聞や郷土史の本、ネットなどで情報収集した。
そもそも難聴や認知症の利用者さんも少なくない中で、なぜこのようなことをしていたのかというと、少しでも社会や季節への関心を持ち続けて欲しいと思っていたからである。
思えばこれが、人前で話す訓練になったと思う。今でも決して人前で話すのは得意ではないが、多少はマシになったのではないか。
これは、介護職員は一度デイサービスで勤めると鍛えられる、という私の考えの一部をなしているのだった。
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