コーピングと認知症

コーピングという言葉がある。
これはカウンセリングの用語で、ストレスに対しての論理的もしくは情動的な対処技術のことだ。前者を問題焦点型コーピング、後者を情動焦点型コーピングという。

問題焦点型は、ストレスの原因の解決方法を考え、計画を立てて行動に移したり、時には専門家に委ねる。また良い面を見つけて、ポジティブに考えようと努力することでもある。
これは、抑うつや不安感を減少させる効果があると言われるが、うまくいかないと却ってストレスが強まることもある。

一方、情動焦点型は、ストレスそのものではなく、それによって生じる自分の感情を、発散したりリラクゼーションなどによってコントロールしようという試みである。

と、以上を踏まえた上で、論文を紹介する。

介護者によるコーピングは認知症の機能低下を防ぐ(英語論文)
http://www.ajgponline.org/article/S1064-7481(12)00009-7/abstract
(本文はログインしないと読めず、このページではアブストラクトしか見られないが。)

ユタ州立大学のコホート研究によると、226人の認知症患者とその介護者を6年に渡り調査した結果、介護者が問題焦点型のコーピングを行っていた認知症患者は、MMSECDRの成績の低下(つまり認知症の進行)が、そうでなかった患者よりも緩かったという。

この結果そのものは驚くべきことではない。
認知症の方を介護することが、介護者にストレスを与えるのは確かである。それに対し、介護者が認知症について知り、その対応方法を学んで実践して、時には専門家すなわちサービスを頼ることが、介護者だけでなく認知症の方にとっても良い効果をもたらすことになるのは、全ての介護業界人が進めようと努力していることそのものだ。
重要なのは、これが認知症ケアのエビデンスになりえるだろうということである。
我々は自信を持って、「介護者の方が認知症をよく知り、適切な対応をすることが大切です。分からないこと、迷うことがあったら何でも相談してください。一緒に、ご本人さんにとってより良い対応を考えていきましょう。それにサービスを適度に利用することも大切です。そうすることが、ご本人さんの認知症の進行を抑えることにもなります」と言うことができる。

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