在宅と施設のケアマネジメントの最大の違い

今日のテーマは在宅と施設のケアマネジメントの違いだが、まずその言葉が指し示すものをこのエントリ限定で定義しておく。

「在宅」というのは自宅のみを指す。
「施設」は特別養護老人ホーム、グループホーム、特定施設(介護付有料老人ホーム)。つまり住まいと同時に、身体介護サービスを包括的に提供する、終身利用を想定した事業所を指す。
では介護老人保健施設や住宅型有料老人ホームはどちらなのかと言うと、今日の分類ではどちらでもない。事業所の方針によってどちらにもなり得る可能性があるからだ。この理由は、以下を読めばお分かりいただけるだろう。

さて本題。
在宅では、現在の生活の継続のため、心身の機能の維持改善が重要となる。これは介護給付費の抑制にもつながり、これができないと、ケアマネはえてして「御用聞き」と呼ばれてしまう。
むろん施設でも心身の機能の維持改善を図ることは必要だが、これは安全の確保としばしば相対してしまうため、ことは簡単ではない。つまり、仮に「○○が一人でできるようになる」という目標を立てたとしても、その実現は在宅の方よりも難しい。その結果万が一事故が起きた際には、施設は責任の追求を免れないからである。
在宅の方であれば、サービス提供時間中でない限り、事故に関して各居宅サービス事業所が責任を問われることはそうそうないだろうが、施設ではたとえ夜中、巡視の合間の事故であっても、そうはいかない可能性がある。こうなると、「一人でできるようになる」という目標を立て、実際に見守りが外せるようになるのは容易ではない。機能向上よりも安全を確保することが重要視されやすいのである。

また施設では、サービスの利用料が提供するサービスの質や量にかかわらず1日いくらと決まっているので、提供するサービス量を減らしても介護給付費の抑制にはつながりにくい。もちろん要介護度が下がれば介護給付費も下がるが、在宅の方のようにサービス自体が必要なくなるということはないし、要支援ないし自立と認定されることによる在宅復帰は利用者・施設双方からほとんど歓迎されない。
それに施設職員にとっては、えてして「自立度が上がる」イコール「自分たちの仕事が減る」ということにはならない。全介助よりも見守りから一部介助の方がよほど大変なのである。トイレ誘導やコールによる介助よりも、時間を決めてのオムツ交換の方がずっと楽だ。
特に入浴などは非常に大きな危険を伴うので、たとえ身体機能的に問題がなくとも、「お一人でどうぞ」とは言えない。

この結果、施設では生活の質の向上を図っていくことが中心となる。
本心から施設生活を望む方は少ないので、在宅以上の安心と楽しみのある生活を提供することが図られるのだ。
在宅でも、もちろん生活の質の向上は重要だが、自宅での過ごし方について、例えば「塗り絵はどうですか」「カラオケをしませんか」と次々に声をかけていくことは大きなお世話になりやすい。援助内容も「デイでの交流を楽しむ」とか、そんな曖昧なものでも許される。

さて、今日のエントリは「だからどうした」と言われそうである。
確かに、だからどうしたということもない。ただこうした違いは、各々のケアマネの個性によって、向き不向きがあるんではないかと思っただけのことである。

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