義歯の取り扱い

私が今回の介護福祉士国家試験で、一番悩んだ問題はこれだろう。

問題44 義歯の取り扱いに関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 食事のとき以外はつけない。
2 磨くときは、歯磨き粉を使わない。
3 熱湯で洗浄する。
4 総義歯は、上あごから外す。
5 外した義歯は、よく乾燥させておく。

どうだろうか。皆さんは即答されただろうか。

私がまず「これが正解では?」と思ったのは2。歯磨き粉をつけて磨けば義歯が摩耗するし、細かな傷が付いてそこに細菌が繁殖しやすくなると以前に聞いたことがあったからだ。
しかし一方で、市販されている普通の歯磨き粉は、タバコのヤニ取りを謳った商品などごく一部を除けば、さほどの研磨剤は入っておらず、削ったり傷を付けているのはむしろ磨き方のせいだと聞いたこともあった(試験後にググってみたら、確かにそう言われている歯科医の方がおられる)。
とすれば、歯磨き粉を使った方が汚れを落としやすくなって、良いのではないか?

その他の選択肢だが、1、3、5は明らかに違う。だが4は?
私はこの仕事を始めて間もない頃に、先輩から「義歯は外す時は上から、はめる時は下から」と教わった。理由は、下の義歯を先に外したり上の義歯を先にはめると、上の義歯が外れて落ちる危険があるから、とのことだった。

しかしやがて、「外す時は下から、はめる時は上からにすべき」と言う人に会った。いわゆる「脱健着患」と同じで、上顎は動かない(動かそうと思えば頭部ごとになる)が下顎は単独で動くのだから、外す時は動く方を先にすべきではないかというのがその理由。これは、聞いた直後は説得力があるように思えた。
しかしよく考えてみると、上から外そうが下から外そうが、口を開けてもらうのに変わりはない。下の入れ歯を外すのに、口を開けるだけではなく下顎を前後させたり捩じったりする必要があるのならともかく、普通は単に開いてもらうだけだ。とすれば、「脱健着患」と同じというのはこじつけでしかない。

ちなみに私が実際の介助場面で、義歯を外す時に上と下どちらを先にしているのかというと、ほとんどの方は上から外している。
その理由はこうだ。

下の義歯は全体として細長く、その分上の義歯よりも割れやすいように思えるので、どこか一点に力をかけたくない。その結果人差し指を口の中に入れて大きく曲げ、人差し指と親指でつまんで持ち上げて外すこともあるのだが、もし下の入れ歯から先に外すとなると、上の入れ歯がはまったままで曲げた指の分だけ口を大きく開けていただかなければならなくなる。
上を先に外す場合はどうか。上の義歯は、人差し指を差し込んで指先をテコにして親指の先を前歯のあたりにひっかければ、確実かつ簡単に外せる。これなら、口は指一本分だけ開けてもらえば良いし、こうして上を外して、指を曲げる分の空間を作っておいてから下の義歯を外した方が、結局口を大きく開けさせずに済むのだ。

こんなことを考えて、2と4のどちらを正しいとすべきか迷った。
2についてはどうも疑わしく思えるし、といって4はもっと疑わしい。
悩みに悩んだ挙句、私は4にした。最初の職場で先輩に教わったことに賭けたわけだ。

大原の解答速報によると、正解は2。
ああ、そうだったのね……

2の「磨くときは、歯磨き粉を使わない」が正しいということは、「磨くときに歯磨き粉を使うのは間違っている」ということだろう。
一方、4の「総義歯は、上あごから外す」が間違っているということは、それは「上あごからでも下あごからでもどちらでもいい」のか、それとも「下あごから外す」のか、どちらが正しいのだろうか。

まだ悩んでいる……


2013.01.29追記:
一晩経ってみて、ああ、これは単純に「上の義歯の方が大きいから、下を外した後の方が外しやすい」ということではないかと思い当った。
そうか、それだけのことか。

何だったんだろう、このエントリ。

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