在宅介護へのクラウド利用

1/23、富士通より高齢者ケアクラウドなるものが発表された。

高齢者ケアクラウド
http://jp.fujitsu.com/solutions/cloud/elderly-care/

そして、これに関する報道の一例と、記事からの抜粋(製品グループの1つである「在宅チームケアSaaS」について)。

富士通、在宅医療をICTで支援するクラウドサービス「高齢者ケアクラウド」
http://m.cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20130124_584840.html

在宅医療・介護の現場では、高齢者の身体・認知能力の差により、医師、看護師以外にも、薬剤師、ケアマネージャー、介護士など多くの専門職種がチームを組んで高齢者を支えているが、5月から提供を開始する「在宅チームケアSaaS」では、それらの多職種間でケアに必要となる共通指標――身体状況、生活状況、スケジュール、メッセージなどをクラウド上で共有。チームのメンバーはいつどこでも最新の情報を確認できる。

サービス価格は初期費用30万円。月額利用料は10テナントで7万円、追加は10テナントあたり3万円を予定(いずれも税別)。テナントは在宅医療施設、介護士、薬剤師、ケアマネージャーなどの事業者を指し、10テナントは10の事業者間で情報を共有できる。

この「在宅チームケアSaaS」において問題点になりそうなところは、ざっと見た限りでは以下の通り。

1. ケアチームが共有するシステムだが、費用を支払うのは在宅診療所である。診療所が、ケアチーム全体の情報共有のために費用を捻出しようと考えるものだろうか。そこまで在宅介護に理解のある医師がどれだけいるか。

2. システムを導入し費用を支払っている診療所が、ケアチームにおいても主導権を握るということになるのではないか。それが望ましい形なのか。

3. 在宅診療所から見れば、すべての利用者を一括管理できるシステムは魅力的だろう。しかし介護サービス事業所側から見ればそうはいかない。一部の利用者だけこのシステムを使うのというのでは混乱の元だ。まして複数の診療所がこうしたシステムを採用すれば、利用者ごとにシステムを使い分けなければならなくなる。
そもそも端末を購入する費用は各々の事業所負担だろう。果たして事業所が特定の利用者のためにタブレット端末などを購入するだろうか。

たぶん、ほぼ系列法人事業所のみでケアチームを形成している、診療所や訪問看護・訪問介護事業所併設のサービス付き高齢者向け住宅などしか導入しないのではないか。

介護保険サービスは国による制度の中でのサービスであり、大きな変化は国が制度の中に組み入れでもしない限り進まないのではないか。たとえば、こうしたクラウドによって情報共有を図ることが連携加算の算定要件として認められるなど。そうなれば居宅介護支援事業所としては積極的に導入を考えるだろうし、システムを導入するのは居宅介護支援事業所であるべきだと思う。
その結果、居宅介護支援事業所がサービス提供事業所を利用者に紹介する際に、クラウドによる情報共有に積極的な事業所を優先して考えるようになれば、各事業所も導入を考えるだろう。診療所が「始めました、よかったら一緒にどうぞ」では、ケアマネやサービス提供事業所には広まっていかない。

ということで、このシステムはあまり介護業界では歓迎されない気がする。
しかしICTによる情報共有が進むこと自体は大歓迎だ。これからの動向にも注目したい。

さて、明後日は介護福祉士国家試験である。明日はホテルに泊まることになるので、ブログ更新は、やるとすればiPhoneからになる。そんな暇があったら翌日に備えて少しでも勉強しておくべきだろうが、まあそこはそれ。

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