介護過程って何?

現在、iOS用アプリ「介護福祉士国試模擬問題2013」にて試験勉強中。
これは、この本をアプリ化したものだ。本をネット上で「立ち読み」してみたところ、内容は全く同一。本が3,360円するのに対し、アプリは全部買っても2,400円で、試験科目ごとのバラ買いもできるため、お得だと言えるだろう。
「エビデンス」を単なる「根拠」という意味で用いているなど困ったところもあるが(エントリ「介護にエビデンスはあるか」参照)、全体としては及第点ではないか。

その勉強中に考えたこと。

試験科目(と言うのか?)の1つに、「介護過程」というものがある。
介護過程とは、このアプリ(本)によると、

介護過程は介護の目的を達成するために行う専門知識を活用した客観的で科学的な思考過程である。具体的には「アセスメント」「計画の立案」「実施」「評価」というプロセスをいう。

とされている。これは介護職が中心となって、他職種と協働の上で展開するものでもあるらしい。

このプロセスは、ほとんどケアマネジメントと同じである。違いは、インテーク部分が考慮されていないこと、そして目的が「介護の目的」に限定されていることぐらいか。
では「介護過程」と「ケアマネジメント」との関係はどうなっているのだろう?

介護福祉士は、介護保険サービス事業所にのみ勤務するわけではない。
むろん、介護保険サービスを利用するのであればケアプランが既に立てられているはずだが、逆に言えば、介護保険サービスを利用しないため(例えば障がい者であるなど)、ケアプランがないことだって多いにあり得る。
そうした状況であっても、科学的な介護(エントリ「ケアマネジメントのプロセス」参照)を行うためにはそれなりのプロセスが必要だが、これをケアマネジメントと呼んでしまうと、介護保険制度におけるケアマネジメントと実に紛らわしくなる。しかも、介護福祉士試験で求められる程度の学習を経ただけで「ケアマネジメントについて学んだ」と思われても困る。
そもそも計画の範囲が介護に限定されているのだから、生活全般を支えるケアプランとは範囲が異なることになる。ケアマネジメントと呼ぶわけにはいかない。

こうしてみると、介護過程というのは、居宅サービスにおいて事業者ごとに作成されるサービス計画のようなものだと言えそうだ。
しかし施設では、リハビリや栄養管理については加算算定の関係上、個別の計画とすることはあるが、介護で個別の計画を作ることはまずないだろう。あって悪いことはないが、介護保険制度において求められていない以上、こうした計画を作っている施設はほとんどないのではないか。
必要がないのかと言えば、私個人の意見としては必要だと思っている。理由は、エントリ「相談員と施設ケアマネ」で書いたように、介護職員が自分たちで計画を立てることができなければ、いつまで経っても介護は医療の下請けから脱却できないからだ。
また、施設サービス計画には、援助に対する統一事項や注意事項を全て盛り込むのは難しい。しかも計画を作成する施設ケアマネは、直接その方の介護業務に当たるわけではない(そうでない事業所ももちろんある。うちだってそうだ)のだから、細かなことは介護職員が自分たちで考えるのが望ましい。

といっても、それだけの業務を新たに介護職員に課せられるだけの、人手と業務内容に余裕のある施設は少ないだろうとは思う。とても無理か。

それにしても、やっぱり中途半端だ。この「介護過程」という概念も。

(参考エントリ:介護過程の課題についての簡単な説明 / 介護過程の展開

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