介護職員を正当に評価するためには

介護福祉士の試験勉強をしていて思う。これでは介護福祉士資格が、その者の介護職員としての能力を全く保証していないのは仕方がないと。

介護士の給与や社会的地位の低さが問題視されているが、そもそも、その業務を行うにあたり必要とされる、もしくは取得が望ましいとされる資格について、取得が容易であればあるほど、それらが低くなるのは当たり前の話だ。誰でもできる仕事に高い給与が支払われ、社会的な評価が得られるわけがない。

では、介護職員の待遇を上げるためにはどうすればいいのか。

現状では、介護福祉士がさらに「箔を付けたい」と思うなら、介護支援専門員か社会福祉士資格ぐらいしか選択肢がない。ただ、どちらも介護の資格ではないことは言うまでもない。基本的な知識を強化する上では有用だが、介護職としての具体的な援助能力を高めることは期待できない。
認知症関係の資格は乱立されているせいでどれも印象が薄い。
そして何より、それらは収入アップにさほど貢献しない。

ただ、介護業界の現状を見ていると、こうなっているのも致し方ないと思える。日本の高齢化はますます進み、介護職員をさらに増やすことが必要なのは誰が見ても明らかだ。
そのためには資格を、その気になりさえすれば誰でも取得できるようにしておく方が都合が良い。例えば他業種からの転職を考えている者が、「自分がこれからいくら頑張っても、資格を取って一人前の職員にはなることはできない」と考えてしまうよりも、「自分でも今から頑張れば、この世界で一人前になれる」と思える方が、介護の仕事を始めようという気になってもらいやすいだろうから。

そういう意味では、現在進められている段位制度は悪くないのかもしれない。
しかし、情報公表や第三者評価といった、これまでに行われてきた例を鑑みるに、適正に運用されるとはとても思えない。名ばかりで実が伴わないシステムがまた一つ増えるだけだろう。
そもそも介護職員の7段階のレベル評価を、事業所内で行わせるなど正気の沙汰ではない。事業所全体として評価が高くなることでメリットがあるのなら、事業所内部のアセッサーは実際よりも高い評価をするに決まっているではないか。そしてメリットがないのならば、真剣に取り組むはずもない。アセッサーの評価に対する外部からの検証も、情報公表や第三者評価のように、チェックされることだけを適当に満たしておけば中身が伴わなくともOK、となるのは目に見えている。それとも、特定の職員に何日も密着してアセッサーの評価との整合性を見る、という方法でも採るつもりなのだろうか。
どうしても事業所内で評価をさせたいなら、1つの事業所内でレベル7は全体の何パーセント、レベル6は全体の何パーセントと割合を決めて事業所内の職員間で競争させるくらいしか手はない。厚生労働省はこんなことも分からないのか、それとも分かっていながら真面目にやる気はないのでこれで押し通すつもりなのか、どちらなのだろう?

また、認定介護福祉士(仮称)なるものも検討されている。これは介護福祉士としての7~8年以上の実務経験やリーダーとしての経験、そして500時間ほどの研修を経て取得されることが想定されているもので、つまりはこれまでの資格よりも時間と金がかかるだけで全く能力を保証しない資格がさらに一つ誕生するわけだ。
年数など徒に重ねていても何にもならない。この業界に無能なリーダーはいくらでもいる。研修は受けさえすれば知識や技能が身に付くというものではない。
合格率が1桁の筆記試験と面接試験に合格した後、研修を受けて取得。ただし研修を修了するためには論文を提出して内容を認められなければならない、とでもしなければダメだろう。

と、年の瀬に過激なことを書いてしまったかもしれないが、それだけ私は切望しているのだ。志を持って努力し、成果を挙げている者に対してそれなりに評価してあげられるシステムを。
それこそが介護業界の現状を打破する第一歩だと。

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