利用者さんに本気で怒る

現在実施しているアンケートによると、このブログをご覧になってくださっている方のほとんどは介護関係の仕事をされているらしい(当たり前だと思うが)。
皆さんは、利用者さんに対して本気で怒ったことがおありだろうか。

場合によっては、自分は怒っているのだと表現することが、援助においてプラスに働く場合もあるかもしれない。しかし本気で怒るなどというのは、それに肯定的な意味を与えることのできるケースは想像できない。それはプロの態度として失格だと思う。

過去の話ということで正直に書くと、私は利用者さんに対して本気で怒ったことが一度だけある。かつて老健に勤めていた時にお会いした方だ。

その方は男性で、確かご夫婦で二人暮しをされていた(もしかするとお子さんと同居されていたのかもしれないが、そうだとしても奥さん以外の方は介護に関わっていなかった)。認知症があり、奥さんの介護疲れのため、ショートステイをご利用されることとなった。
奥さんは、小柄でかわいらしい感じの方だったと記憶している。

その方はご自分がショートステイを利用するということを受け容れていなかった。施設に来るなり、帰ると言って私たち職員の言葉には一切耳を貸さなかった。
しかし、そこで「ご本人さんが強く拒否される以上、サービスを無理強いするわけにはいきません」などと言ってお帰りいただくことなどできない。サービスの利用目的が介護者の負担軽減なのだからなおさらである。

私はしばらくその方とお話させていただいたが、帰りたいという気持ちがやわらぐことはなく、それどころか次第に興奮されてきた。私は、「そうやって他人の言うことに耳を貸さないから、奥さんが疲れちゃったんですよ。奥さんが体を壊して倒れでもしたら可哀想でしょう。それにそうなったら、あなたも今の生活を続けられなくなりますよ。数日ですから我慢しませんか。家族はそうやってお互いに我慢して、お互いを尊重しあわないと」というようなことを言った。
それに対する返答は、「あいつは俺の言うことを黙って聞くのが当然だ。あいつがどうなろうと知ったことか」というようなことであった。

それを聞いた私は本気で怒った。「そういうことを言うのなら私は知りません。そうやって騒いで、自分の立場をますます悪くしていけばいいでしょう」という意味のことを言い残してその場を立ち去ってしまった。

なぜそんなに怒ったのか、自分でもよく分からない。
奥さんがあまりに可哀想に思えたから、ということなのだろうか。

今日、ふとそんなことを思い出したのであった。

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