タバコと認知症治療薬

私は、自分は多くの人々よりも認知症の方の感じる感覚が分かるかもしれないな、と思っている。

……と書くと、恐ろしく自惚れているようだが、そのココロはこうである。

私は喫煙者である。つまりニコチンを日常的に体内に取り込んでいる。そしてニコチンはアセチルコリンに代わって、コリン作動神経に働く。その結果アセチルコリンが減少し、喫煙者はその分をニコチンに依存する体質になってしまう。

そしてアルツハイマー型認知症は、アセチルコリン量が減少し、その結果認知機能の障害が起こる(これは全ての方に当てはまるわけではないと思うのだが、その辺りは昨日のエントリを参照)。
これは、ニコチンを絶っている喫煙者の脳に起こっていることと極めて似ているのではないだろうか。

つまり私に限らず、喫煙者は認知症を擬似体験することができるのではないかと思うわけだ。

喫煙者はタバコを絶ってニコチンが足りなくなると、物事が頭に入りにくくなり、集中した思考が難しくなる。イライラすることも多い。
認知症の方は、こうした感覚をさらに強く感じているのではないだろうか。認知症の方は自己に生じている感覚をうまく表現し他者に伝えることが困難であるために想像するしかないが、それはとても辛いことだと思う。

ところで、逆に我々がニコチンを取り過ぎるとどうなるか。
最も強い症状は嘔気である。頭痛が起こることもよくある。これは、アリセプトの副作用の出ている状態に近いということはないだろうか。
そういえば、農薬や神経ガスには、その毒性が非常に強いアセチルコリン分解酵素阻害作用からなるものがある。ニコチンやアセチルコリン分解酵素阻害薬の作用はそれらに比べればはるかに弱いとはいえ、どちらも止められるのならば、止めるに越したことはないだろう。

もちろん、多くの場合意思の弱さを示しているに過ぎない喫煙という悪癖と、病に対する治療薬を一緒にするつもりはない。薬によって助けられている方が数多くいることは確かだろう。
ただ、薬を飲んでいただく以上は、その効果や副作用について常に気をつけていなければならないということを、ニコチンと認知症治療薬の共通点について考えていて改めて思ったのだった。

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