2名での移乗

うちの施設には3名ほど、移乗を職員2名で介助させていただいている入居者さんがいる。
他所の施設なら普通に職員が1名で介助しているだろうと思われる方も、うちの施設では2名介助を徹底させている。理由は、移乗時の職員の過失によると思われる負傷が後を絶たなかったからだ。

そのうちのお一人の話。
2名介助になったきっかけは、認知症のため自分が何をされているのか分からず、介助時にバーにつかまってしまうことがあり、ある日そうしてバーにつかまったにもかかわらず、職員が強引に移乗したためと思われる負傷事故があったことだ。
2名介助としてからは、そうした負傷もなくなった……と思いきや、今度は脇から前胸部にかけて痣ができてしまった。後方から抱える際に入居者さんの両脇をつかむ男性職員がいたらしく、それが原因だと思われた。
全く恥ずかしい話だ。

そこで今度は、後方から抱えることを禁止した。職員は2名で、側方からそれぞれ上半身と下半身を抱えることとなった。
そのことで、ある職員に「きちんとできない職員に皆が合わせなければいけないのは変。できない職員には直接指導するべき」と言われ、それは確かにその通りだとは思ったが、私は動かなかった。

そもそも、きちんと移乗の介助ができない職員は、その者だけではないだろうと思ったから。

うちの施設の職員は未経験からの採用が多く、身体介護に関する技術は拙い。移乗介助はそれが特に目立つ。残存機能を生かせずに手を出しすぎてしまったり、また無理な介助で負傷させたり……以前はきちんと研修を行おうと思ったこともあったが、結局は職員本人に向上心がなければどうにもならないと思い、こちらから提案することはせずにいる。

とにかく、私が望んでいるのは、私たちの出した指示に従え、ということではない。
実際に介護している者から、入居者さんの介助方法について提案してきたり、技術を身に付けたいと思って欲しい、ということなのだ。

しかしそれがなかなかうまくいかない。

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