諦めや我慢を強いること

男性職員による介助を嫌がられる女性の利用者さんは、決して珍しくない。
しかし嫌だと感じているのが実際に訴える方だけとは限らない。内心嫌だと感じていながら、我慢して黙っていることも当然あるだろう。
今やデイサービスでは同性介助が当たり前になっていることと思う。しかし施設ではなかなか難しい。

一番の原因は夜勤である。男性職員が夜勤の日など、フロアにその職員が一名だけとなれば、女性介助を徹底するのは不可能であるから。
もちろん、夜勤職員の男女の組み合わせを検討したり、他のフロアに応援を依頼したりといった努力は行われるべきではある。しかしそのような条件を満たすシフトを組むのは無理、ということも往々にしてある。
うちの施設でも、排泄介助に関しては、申し訳ないが同性介助の徹底は無理とご説明している。しかし入浴介助に関しては、希望を聞き入れさせていただいている。

しかし、だ。
入所後まもなくは入浴を同性介助で行っていても、いつの間にか男性の職員でもOK、となっていることがよくあるのだ。
ご本人さんが男性でも気にしなくなったのならもちろん結構なことだ。しかし実際には、説得し了承してもらっているだけで、心の奥では嫌だと思われていることも多いのではないだろうか。

そして職員は、同姓介助を望まれる女性入居者さんに入浴介助を行えた男性職員は誘導が上手で、拒否されてしまった職員は下手、と考えがちである。
問題はそんなことではないのに。

今日、そういう方の入浴介助をした。私は自分が誘導できる自信がなかったわけではなく、その方に我慢させるのは申し訳ないと思い、隣のフロアの女性職員に、その方の入浴介助をしてもらえないかと依頼してみた。
返答は、「どうしてもできないなら私がやりますけど」であった。

私は自分の気持ちを説明するのも面倒になり、ここで「お願いします」と言うのは、自分には無理と降参していることになるのだろうなと思って、「大丈夫です」と答えてしまった。実際、「どうしてもできない」なんてことは全くない。
それにしても、皆、なぜ入居者さんの身になって考えてみることができないのだろう。

そうして私が入浴をお手伝いしたわけだ。その方は嫌そうなそぶりは一切見せなかったが、内心ではどうだったのだろう。私は諦めや我慢を強いたのだろうか。

だとしたら、結果としてそういう思いをさせた私は、やはり介護職員としてはまだまだである。

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