特定施設での個別機能訓練

特定施設での個別機能訓練加算について。

「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)」にはこうある。

専ら機能訓練指導員の職務に従事する常勤の理学療法士等を1名以上配置しているもの(利用者の数が100を超える指定特定施設にあっては、専ら機能訓練指導員の職務に従事する常勤の理学療法士等を1名以上配置し、かつ、理学療法士等である従業者を機能訓練指導員として常勤換算方法で利用者の数を100で除した数以上配置しているもの)として市町村長に届け出た特定施設において、利用者に対して、機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して、利用者ごとに個別機能訓練計画を作成し、当該計画に基づき、機能訓練を行っている場合には、個別機能訓練加算として、1日につき12単位を所定単位数に加算する。

地域密着型特定施設については、「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)」に、上記の分から()の部分を削除し、特定施設を地域密着型特定施設と置き換えているだけで全く同じ内容が記されている。
ちなみに、特養そして地域密着型特養の個別機能訓練加算の算定基準も、これらと全く同じである。

仮に100名の施設であれば、120円×100名×30日=360,000円になるので、常勤専従の機能訓練指導員を採用しても充分に元は取れる。
しかし、定員29名以下の地域密着型では、120円×29名×30日=104,400円にしかならない。これでは算定は厳しい、ということになるだろう。

さて、次に。
この加算についての機能訓練はどのくらい行わなければならないのか、そして誰が行うのか。

平成18年4月改定関係Q&A(vol.3)には、

通所介護サービスにおいては実施日、(介護予防)特定施設入居者生活介護サービス及び介護老人福祉施設サービスにおいては入所期間のうち機能訓練実施期間中において当該加算を算定することが可能である。
なお、具体的なサービスの流れとしては、「多職種が協同して、利用者毎にアセスメントを行い、目標設定、計画の作成をした上で、機能訓練指導員が必要に応じた個別機能訓練の提供を行い、その結果を評価すること」が想定される。

とあるので、毎日行う必要はなく、機能訓練を提供するのは機能訓練指導員でなければならない、と読める。
機能訓練の頻度や時間、内容についての定めはないので、個別に計画が立てられていれば、機能訓練そのものは1対1で行う必要はない。つまり適度に集団体操などを組み込み、必要な方にのみ個別対応するものとすれば、算定条件という観点からは、1名の機能訓練指導員でも何とか実施可能だろう。

また、平成18年4月改定関係Q&A(vol.1)の特養の個別機能訓練加算の部分には、

機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員、その他の職種が共同して個別機能訓練計画に従い訓練を行うこととしており、機能訓練指導員が不在の日でも算定できる。

とあり、これによると介護職員などが訓練を行っても良いとしか思えない。
問題は、これをそのまま特定施設に準用して良いものかどうかという明確な根拠が見つけられないことだ。ネットで調べると、この部分をそのまま特定施設関連の所に転記している自治体があるので、特定施設への準用は可能と考えるのが自然だと思うのだが……どうなのだろうか。

特定施設だけ訓練の実施は機能訓練指導員でなければ行えない、と定める意味はないだろう。
それにそもそも、実施できる者に制限をかけることは、訓練の機会を減少させることに他ならない。介護職員等でも訓練を行えるのであれば、毎日提供することも簡単にできるのに。

また、この加算の意味についても、前掲の報酬告示(「利用者に対して、機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して、利用者ごとに個別機能訓練計画を作成し、当該計画に基づき、機能訓練を行っている場合には」)を見る限り、訓練そのものではなく、計画を立ててそれに従って実施、というところに重点があると思われる。
であれば、機能訓練指導員を常勤専従に限る意味などますますないではないか。

いずれにしろ、常勤専従でなければならないのでは、例えば看護師を機能訓練指導員とした場合、その者は看護業務を行うことはできなくなってしまう。
これで月々10万円では、地域密着型では事実上算定できないと言っていいだろう。もちろん、施設の持ち出しが増えても、利用者さんにより良い機能訓練を提供したいと考えているのなら別だが、そんな余裕のある施設がどれだけあるだろうか。

地域密着型で個別機能訓練加算を算定する際の機能訓練指導員については、常勤専従の規定を外すべきだ。そうすることで機能訓練のメニューの幅も機会も大きく広がり、利用者さんのためになるのだから。

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