気配り

エントリ「マイクロケア?」からだいぶ間が空いたが、介護という行為を細分化し分析することで、誰もが習得できる技術にしようという試みの続き。

「気配り」について。

前述のエントリでは、「気づき」を「生理」「感情」「意思」へのアプローチに細分化した(正確には、それにより「気づき」という言葉を再定義した)。これはいわば、目の前の利用者さんの「今」を多方向から眺めたものである。
これに対し、「気配り」は、利用者さんに起こる「未来」を先回りすることだ。

まずは分かりやすい例を挙げる。
歩行器を使って移動されている方が、食堂へ来られた時。
動線にある障害物をどかし、歩行器の置き場所を確保し、必要があれば椅子を引いてさしあげる。座った後には、これも必要があれば、椅子を適切な位置まで押す。
この程度のことは、全ての介護職員が当然に行っているだろう。起居は転倒しやすい場面でもあるのだからなおさらである。しかしいずれにせよ、こうした利用者さんの行動を先回りして不便のないようにしてさしあげることを、ここで「気配り」と定義する。

もう一つの例。
夜間、利用者さんがナースコールを押し、職員の見守りないし介助でトイレに行ったとする。

「この格好のままトイレに行ったら寒いのではないか」
⇒何か簡単に羽織ったり、肩や膝にかけられるものがあればそれを使う

「布団に戻ってきた時に、布団が冷えていて寝つきにくくなりはしないか」
⇒布団から熱が逃げてしまわないように、きちんと掛け布団を広げておく

「何枚も布団を重ねて使っているから、綺麗に布団をかけるのにちょっとした手間がかかる。もっとスムーズに布団をかけてあげることはできないだろうか」
⇒布団を綺麗に重ねておき、戻ってきたら、素早くめくって横になり、布団をかけられるようにする

「ズボンを上げる手伝いをする時に、自分の手が皮膚に触れたら冷たいのではないか」
⇒手をこすり合わせて暖めておく

「トイレットペーパーの端がうまく引き出せずに苦労している。次も同じようなことになるのではないだろうか」
⇒トイレットペーパーの端を三角に折っておく

という感じだ。

こうして、一歩先の利用者さんの行動や思考、感情を想像し、それに対して配慮することが介護職員には求められるのである。これができないと、「気配りができない」などと言われることとなる。
「お前は利用者さんに対しての気配りができない」と言われてしまっている方は、このように一歩先を考えて、援助を行うようにしてみてはいかがだろうか。

重要なのは、気を配っているつもりで、ご自分でできることを奪わってしまわないようにすること。この境界が、特に新人のうちは難しいようである。

広告

気配り」への2件のフィードバック

  1. >美由紀様
    コメントありがとうございます。
    「どこからどこまで」とのことですが、その答えは、「全て」だと思います。
    ただ、全てと言っても、100%できる職員はいません。70できる人もいれば、10しかできない人もいる。
    ただ、皆が100を目指して努力していかなければならないのであり、このエントリは、「気配りとか言われてもどうすればいいんだ」と感じている職員のために、ヒントを提示させていただいているつもりです。
    またお目に留まる記事がありましたら、ぜひコメントしてくださいね。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中