CS研修

CSすなわちCustomer Satisfaction(顧客満足)についての定期的な研修が、うちの法人で始められることとなった。

私は、現在の介護現場でCS研修を進めていくにあたっては、まず2つのことを前提としなければならないと思っている。

1. 顧客満足が生産性の向上には直結しない
介護サービスは定員と報酬が決められており、どれほど満足度の高いサービスを提供しても、定員以上の顧客を獲得することはできないし、定額以上の報酬を得ることもできない。
また特に施設では、利用希望者が常に列を作っている状態であり、顧客満足度がさほど高くなくても顧客獲得にはさしたる影響はない。
つまりは、顧客満足度が高くなっても、それが経済的報酬として職員に返ってくることはまずないのである。職員は、「同じ働くなら、顧客に満足してもらえた方が自分も嬉しい」という心理的報酬のみをモティベーションに転化せざるを得ない。

2. 顧客に「ありがとう」と言われやすい状況にある
「お客様は神様です」という考えが当たり前の我が国の社会において、これほど顧客から「ありがとう」と言われやすい業種はそうはないだろう。
もちろん、「ありがとう」と言っていただけることに喜びを感じることは大切だが、そう言ってもらっているからといって、満足していただけているとは限らないことも覚えておくべきだ。利用者さんやご家族さんは「みてもらっているのだから、それだけでありがたい」という、本来必要のない心理を持ちやすい。

以上を踏まえた上でなければ、介護事業において顧客満足を考えても、それは職員の心の奥までは浸透しない。

何が必要なのか。

まずは、顧客満足を中心に据えたサービスの向上が、各々の職員のキャリアアップにつながることだ。
心理的報酬のみで動くことのできる者は存在しない。「うちの法人は、質の高いサービスが提供できる者を評価し、それに見合った役職と給与とを与える」と保証することが必要である。

そして利用者からの「ありがとう」だけでない、顧客の満足を図る指標を作ること。
何をもって質の高いサービスを提供できる者とみなすかをはっきりと提示する。例えば美容院などであれば、顧客からの指名の数をもってその者への評価とすることができるが、介護事業所ではどうすれば良い?

私が以前勤めていた法人では、職員が互いに評価し合ったことがある。全職員が、自分を除く全職員について、文字通り採点するのである。
項目は理事長が作った。そしてその採点結果を元に、賞与の額が決定した。
この時は、理事長の独断で評価項目が定められたため、多くの職員はその結果に納得していなかったが、この項目を皆で考えて作っていけば、きっと多くの職員が共感できるものが出来上がるのではないだろうか。
まあ、これはあくまで一例だが。

まだ第1回目の研修が行われたばかりなので何も見えてきていないが、今後どう進められていくのか、楽しみにしている。

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