循環式浴槽とレジオネラ菌

多くの介護事業所の浴槽は、入浴の度にお湯を張るタイプだろう。
そういうお風呂ではなく、循環式浴槽を使用している介護事業所はどれくらいあるだろうか?

私が以前勤めていた住宅型有料老人ホームのお風呂は循環式であった。
これは、ポンプで浴槽の水を循環させてお湯を沸かし、同時にゴミを除去することができるので、こまめにお湯を張り替える必要がない。

メリットは何と言っても水道光熱費の節約である。
そして、一日のうちで好きな時にいつでも入浴できるように、湯船の温度を長時間一定に保っておくこともできる。そのため、入浴施設やスポーツクラブなどで使われていることが多いようだ。

デメリットは感染源となりうることである。そのため、使用する前には必ず、お湯の塩素濃度をキットで測定し、消毒の効果を確認しなければならない。

しかし、である。
塩素濃度を保っていても、絶対に安心というわけではない。菌はバイオフィルムと呼ばれる膜を形成し、繁殖することがあるらしいのだ。

私が勤めていた施設のお風呂も、一度検査で規定以上のレジオネラ菌が検出され、使用を禁じられたことがある。感染者が出なかったことがせめてもの救いだ。
この時は本当に大変だった。それがデイサービスで使用しているお風呂だったため、一時的にではあるが、入浴は有料老人ホームの小さな浴室で行わなければならなくなった。

そうしておいて、問題のお風呂は一度ポンプ内部まで完全に水を抜いて改めて殺菌、再度の検査を経て安全が確認されてから、ようやく使用の許可が降りたわけである。

もちろん、常に塩素濃度は既定の範囲に保っていたし、週に2回は必ず全てのお湯を張り替え、清掃もしていた。フィルターのゴミも毎日取り除いていた。それでもレジオネラ菌の繁殖を防げなかったのである。

もしも介護事業所で、循環式の浴槽の導入を検討されている方がいたら、心から言いたい。
大した節約にはならない上にメンテナンスの手間も馬鹿にならず、しかもリスクは低くないので、やめた方がいいですよ、と。

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