日用品の外部委託(前編)

かれこれ7年ほど前の話になる。
その頃、私が在籍していた介護老人保健施設で、実地指導の際、日用品費として徴収していた料金についての指導を受けた。

それまでは、たしか1日あたり300円を利用者さんより徴収していた。そしてその料金に含まれる品目として、シャンプーやトイレットペーパーなどが挙げられていた。
それは不適当であり、料金設定をする上での積算根拠にこうした品目が含まれているのなら、その分の料金を見直すべしというのが指導の趣旨であったと記憶している。

実にもっともな指導である。

そして経営陣が改善について頭を悩ませていたまさにその頃だったと思うが、とある会社の営業が施設にやってきた。

曰く。
日用品費について指導を受ける介護施設は多い。そこで、自分たちはその問題を一気に解決するサービスを始めた。
県に直接、何が日用品費として認められるのか、何が認められないのかを予め確認しておいた上で、認められた品目につき、施設利用者と自分たちの会社が直接契約して物品を提供する。
つまり施設としては、日用品費の問題から開放されることになる。もし実地指導で、「この料金を徴収するのは適当でない」と言われても、文句は○○社に言えと答えてもらって構わない。
……とのことであった。

さすがに細かな料金体系は忘れてしまったが、下のように日用品がセットで用意されていて、任意のものを組み合わせて契約できたと記憶している。
全て契約すると1日700円ほどになるが、その代わり、手ぶらで施設入所ができるようになるという触れ込みだった。

1. タオルセット:バスタオル、フェイスタオル、ボックスティッシュ
2. シャンプーセット:リンスインシャンプー、ボディーソープ
3. スキンケアセット:男性はかみそりとシェービングクリーム、女性は保湿クリーム
4. 口腔ケアセット:歯ブラシ、歯磨き粉、入れ歯洗浄剤、スポンジブラシ
5. パジャマセット:パジャマ、肌着
6. トレーナーセット:トレーナー、靴下

セット名や含まれる品目は私の記憶だけに基づいて書いているが、それほど実際と違っていないという自信はある。
特に目を引くのは、パジャマやトレーナーなどの衣類だろうか。何とこれらまでレンタルするというのだ。

みなさんはこの項目を見て、どう思われるだろう?
日用品として徴収するのが不適当な品目も含まれていはしないか?

タオル類については、それまでは施設は別の業者と契約し、料金は施設負担であった。しかしこれを導入すれば、その分の費用が完全に浮く。これは大きなメリットではないかと経営陣は考えた。

私と、そして当時の事務主任は反対した。
実際のところ、日用品費として徴収する料金とそれらの購入にかかる費用とを比較すると、断然前者の方が大きく、つまり施設の利益を上げるための助けとなっていたからである。外部委託業者を導入すれば、その分の利益がそっくり外部の会社に持っていかれることになる。
しかも実際に物品を管理するのは施設である。施設としては、手間だけ増えることになり、何のメリットもない。
日用品費の問題は、正しい知識を身に付け、それに沿った対応をすればよいだけのことだ。

しかしその意見は通らず、経営陣の判断によって、このサービスは導入されることとなった。
多少、その会社から施設へバックマージンが入ることになったんじゃなかったかと思うが、残念ながらそれははっきり覚えていない。

これを導入してどうなったのか? それは明日のエントリにて。

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