適切な医療

「適切な医療」というのは、私がかつて勤めていた老健の施設長医師が時々口にしていた言葉である。
今試しにブログ内を検索してみたら、8つのエントリでこの言葉を使っていた。知らないうちに、私もその先生の影響を受けているのだろうか。

老健というのは医師がいるものの、何かと制限の多いところである。他の医療機関を受診することも簡単にはできないし、薬も老健で採用されているものに切り替えざるを得ない。
そこで、その方の病状によっては、「入所すると適切な医療を受けられなくなる」ことがあるというわけだ。
また、例えば明らかに認知症があるのに専門医の診察を受けたことがなく、そのまま施設入所となると、その方は「適切な医療を受けられずじまい」となるかもしれない。

しかし、これは老健入所時のみの問題ではない。
在宅で、「適切な医療」を受けられている方というのは、実際どれくらいいるものだろうか。

ある方が「適切な医療」を受けられているかの判断は難しい。
仮に、全ての患者が、現在の医学で考えうる理想的な医療を受けたからといって、全ての疾患が治癒またはコントロールされるわけではないだろう。まだまだ人の手が届いていない疾患は多い。となると、悪化しているからといって、「適切な医療」を受けられていないということにはならない。

そして医師は、指導や監査を受けることはない。もちろん診療費の請求や運営が正しく行われているかといったことは点検されるが、訴訟にでもならない限り、治療そのものの正当性を問われることはないのである。

ケアマネとは大違いだ。

現在のところ、介護は医療に従属している。認定の段階から医師の意見が大きく考慮され、医師の指示がなければ導入できないサービスも存在し、普段の生活においても医師の判断は絶対である。
なのに、その妥当性が問われるのは介護ばかりだ。そもそも医療が適切でなかった場合、介護も大きな影響を受ける。それは考慮されない。
それとも、医師は誤りを犯さないというのは絶対前提だというのだろうか?

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