治験

「治験」という言葉はおそらく多くの方がご存知だろう。
これはWikipediaによると「治療の臨床試験」の略だそうである

新しい医薬品を製造販売するには、その医薬品の治療効果と、人体への悪影響についての両方が検証されなければならない。
これは第I相試験(フェーズI)から第IV相試験(フェーズIV)に分けて行われるが、詳しくは上記のWikipediaへのリンクをご参照いただくとして。

治験は、あまり表立っては行われていないようだ。
例えばアメリカのアルツハイマー型認知症の情報サイトでは、このように治験の案内が載ることがあるが、日本ではこうしたものを目にする機会は少ないように思う。
私が知らないだけかもしれないが……

治験には、どこかうす暗さがある。
フェーズIは健康な成人を対象に行われる。新薬がどのように体内に吸収され、どのように保たれ、どのように排出されるか、そして安全性を主に検証するわけだが、何しろ新しい医薬品なのであるから、現在の、そして将来の身体にどのような作用を及ぼすかはわからない。そのリスクと引き換えに無償で協力しようと思う者はいないので、協力者には報酬が支払われる。しかもかなり高額らしい。
もちろん、医療の進歩のためには欠かせないことである。にもかかわらず、そこには自分の健康を切り売りするかのようなイメージがつきまとってしまう。

それはフェーズII以降でも変わらない。
対象は患者さんであり、新しい薬の多くはこれまでにない効用を期待されるからこそ開発されるので、治験に協力することで自身の病状も改善する可能性がある。
しかしもちろん逆の危険性もあるし、自分(あるいは家族)が実験材料になるかのように感じてしまう。

先日、うちのパーキンソン病の入居者さんのお部屋にお邪魔した時に、パーキンソン病の新薬の治験案内のチラシを見つけた。はっきりしないが、友の会の会報か何かに同封されていたのではないかと思う。

治験協力への応募の条件は、パーキンソン病の重症度分類がいくつ以上とか、オフ時間が現れていることなどだったと記憶している。実施主体に連絡すれば、現在の主治医と連携しながら、新薬を服用し経過を見ていく、というような内容だった。
ただ、私は夜勤明けで頭もぼーっとしていたので、間違っているかもしれないことは一応お断りしておく。

その方は現在レボドパとドパミンアゴニストの服用で病状も非常に安定している。オン=オフなどは見られていない。だからその治験とは関係がない。
しかし、他の入居者さんで、薬の切れている時間が長く体の動きも悪化してきており、見当識の障害や妄想も多くなっている方がいる。内服しているのはレボドパのみ。神経内科の主治医に相談しても「どうしようもない」で一蹴されてしまっており、何とかしてあげられることはないかと頭を悩ませている。

私がその方の家族なら、藁をもすがる思いで、治験についての詳しい話を聞きたいと思うかもしれない。
しかしもちろん、他人が勧めたりすべきことではない。

だから、このまま忘れる。

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