我々が認知症の方に与える印象

もし、あなたが。
記憶をなくした状態で、大勢の人たちの中に放り込まれたとする。
単に知らない人たちの中に、というのではないことに注意。あなたはここがどこかもわからないのだ。

そのうちの何人かが、あなたに話しかけてくる。
ある人は丁寧語で、そしてある人は丁寧語でない言葉で。

笑顔の人も、そうでない人もいる。
声の大きい人も、小さい人も。
早口の人も、ゆっくりと話す人も。

あなたはその人たちに対して、どう思うだろうか。

(この人は優しそうだし言葉も丁寧だから安心していいだろう)
(この、丁寧な言葉で笑顔で話しかけてくる人は、私が何もわからないと思って、騙そうとしているのかもしれない。言うことを聞かないようにしよう)
(この馴れ馴れしい人は誰? 失礼だな)
(この人のくだけた物言いは、私を前からよく知っているに違いない。誰だか思い出せないけど、悪い印象はないから言うことを聞いても大丈夫だろう)

全て、あり得る可能性である。どの反応に近いものになるかは、相手の表情や声、あなたの気分、その他様々な要素の絡み合いなので、どれと一概には言えないだろう。

ここまでの「あなた」を、認知症の方に置き換えてみる。
認知症の方であれば、この中のどれか一つに限った反応が生じる、と言い切れるだろうか?

人が人に与える印象というものは、そんなに単純なものではない。

「認知症の方はこう感じるものだ」と決め付けてしまうのは楽だが、それをせず、自分は他人からどう見えているか、その方に合わせる努力をしているか、それを問い続けていくことが援助者には必要だと思っている。

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