ケアプラン新様式案への反応

このところ、「ケアプラン新様式」などの単語で検索し、訪問される方が急増している。

ここへ来て何か新展開が? と思ったが、どうもこの、東京都介護支援専門員研究協議会のアンケート調査報告書の公表が、その一因ではないかと思う。

見てみた。

1,468人を対象にした調査で、有効回収数が71票(4.8%)というのはいくら何でも回収率が低すぎる。関心がないのか、知られていないのか、職能団体の調査に協力しても制度に反映されることはないという諦めからなのか……

アンケートに記されたコメントも公表されており、案の定、否定的な意見が多い。
「誰のための書式なのか」、「単に書く書類が増えるだけで煩雑」、「様式よりも研修を見直すべき」……概ね頷ける言葉が並んでいるといっていいだろう。

だが、これらの意見は、何しろ数少ない有効回答からのものである。こうした意見を送る方々は、もともと情報収集を怠らないだけでなく、ケアマネジメントにも習熟した、いわゆる「できる」ケアマネであろうと容易に想像できる。
今回の様式案は、「できない」ケアマネでも一定レベルのケアマネジメントが行えるようにと作られたものなのだから、「できる」人たちがこれにより足を引っ張られるのは当然のことなのだ。
業務の標準化とはそういうことである。現場の介護だって同じことだ。

「様式よりも研修を」と言われている方は、ケアマネジメントはマニュアルに従えば誰でもある程度のレベルの業務ができるようにするのではなく、職人芸のままであるべきだと言っているのに等しい。
それが間違っていると言うつもりはない。私は介護だって職人芸であって良いと思っているのだから。しかし、例えば実務研修のカリキュラムを見直したところで、大した効果は得られないとも思う。

質を上げる方法は唯一。
報酬を上げて、競争を生むしかない。資格を取れば誰しもがどこかしらの居宅介護支援事業所や介護保険施設などに勤めることができ、かつ優れた業務を行っても報酬上の評価がないのでは、質など上がるわけがない。

ところで、世間、というより厚生労働省周辺ではケアマネへの風当たりが強いが、これはしょうがないのかなと思ったりもする。
福祉の業界では、何かうまくいかないことがあれば、全て相談援助職のせいにされる。うまくいってもそれは当たり前で評価などされず、うまくいかなければ非難号号。
それが相談援助職。

相談員をやっている時につくづく思った。当時の施設ケアマネはただのプランナーだったので、ケアプランを作っているだけ。何か問題があるとすべて相談員のせい。

結局、現場の職員は人手不足なので、厳しくすることで辞められてしまっては元も子もない。そして管理職は自らの能力不足を認めるほどの器の大きさなど持ち合わせていない。相談援助職のせいにしておくのが一番無難なのだ。

これは介護保険制度とて同じこと。
介護職員の処遇改善が課題となっており、かつ制度への批判からも目を背けさせるためには、うまくいっていないことをケアマネのせいにしておくしかないのだ。

全く、割に合わない立場である。

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