疥癬

今日は思い出話を。

かつての職場で、疥癬の集団感染があった。

始まりは、とある利用者さんの手の皮膚が厚くなり、剥がれ落ちてきたところからだった。医師は白癬菌によるものと診断し、手浴が指示された。しかし一向に良くなる気配はなかった。

やがて皮膚の剥がれ落ちる部位が広がり、他の利用者さんや職員にも痒みや赤い湿疹がみられるようになった。
そこで一人の職員が皮膚科を受診、疥癬と診断され、そこの先生が施設に往診に来られ、全利用者さんを診察してもらった。そこで疥癬の集団感染が確認されたわけである。

治療は、全利用者さんに対し、入浴後の安息香酸ベンジルとオイラックスの全身塗布と、全更衣および着ていた衣服の熱湯消毒と洗濯。24時間後に全身清拭にて安息香酸ベンジルを拭き取って再度オイラックス塗布。これを1クールとし、2クールを行う。
……というものだったと記憶している。

つまり半数の利用者さんに入浴してもらい、2日目以降は同時に残りの半数の利用者さんの全身清拭も行わなければならないのである。これに施設はおおわらわだった。

また職員も、安息香酸ベンジルとオイラックスが支給され、帰宅したらまず着ているものを全部玄関で脱ぎ、衣服を熱湯消毒。そのまま浴室へ直行、入浴して安息香酸ベンジルとオイラックスを塗布……と利用者さんと同じことをしたわけである。

幸い、私には痒みは出なかったが、感染した職員は夜も眠れないほどの痒みに襲われたそうである。

初めに感染された方は、それに先立って入院されていたので、おそらくは病院で感染したのだと思われる。しかしその病院で集団感染が起こったという話は聞かなかった。

大変だったし、もう二度と経験したくないことである。

だがそれでも、あの時の騒動を思い出すと、何故か口元がほころんでしまうのだった。

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