金銭管理

うちの施設の入居者さんは、手元にお金を全く持っていない方が多い。

私が入職した頃までは、そんなことはなかったらしい。しかし私が入る直前に、紛失事故が立て続けに起きた結果、事務室でお預かりすることとなり、専用の金庫が購入された。

認知症の有無にかかわらず、お金を完璧に管理できる要介護高齢者はほとんどいないと言っていいだろう。しまい忘れたり、お孫さんにお小遣いとして渡したのを忘れてしまったりといったことが常に起こり得る。施設としても、管理していない以上確認のしようがない。

しかし、だからと言って全く持たせないようにするというのもあまりに短絡的だ。
ある程度金銭管理ができるのにそれを禁じるということは、できることを取り上げてしまうことに他ならないし、そもそも手元に全くお金がないというのは誰にとっても不安なものである。見当識に障害のある認知症の方であればなおさら。
もちろん、施設生活をしていれば、お金がどうしても必要になる場面は全くない。買い物の際には施設から立て替えておき、後で請求に含めることが容易にできる。しかし、それを理解できる方ばかりではない。

だから、うちの施設でも絶対にお金の所持を禁止しているわけではない。ただし、たとえ紛失しても施設としては一切責任を負いませんので、それでもよければ、というわけである。
そうして持たれている方が何人かいて、例えば公衆電話から電話をかけるときに使ったり、たまの買い物に出かけた時に(もちろん、本当は買い物くらいしょっちゅう連れて行ってあげられるといいのだが)、自分で財布を取り出して支払いをする。

自分で買うものを選び、レジで支払う。
たったそれだけのことが、喜びや自信に繋がることもあるのだ。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中