昨日は呑みに行ったため、ブログ更新落としてしまった……
さて。
自分で実施することのできる認知機能検査が、2010年にアメリカで作られた。SAGE(Self-Administered Gerocognitive Examination)である。
これはオハイオ州立大学医学センターのDouglas Scharre医師(アルファベット表記のままなのは、ファミリーネームの発音が分からないからである……シャーレ、でいいのかな?)が開発したもので、15分程度で行うことができる。
Scharre医師によると(参考)、認知症は早期治療が重要だが、やはりアメリカでも、家族は認知症であるという宣告を受けるのを恐れ、受診が遅れがちだという。
SAGEは、見当識、物品呼称、概念化、計算、短期記憶、図形模写、時計描画、行動プログラミングといった能力項目からなり、MMSEとFAB(エントリ「認知症とテスト」参照)、さらに時計描画テストを合わせたような検査になっている。いわゆるマッチ棒パズルのような課題もあるのが非常にユニークである。
また検査問題には4パターンが用意されていて、そのうちのどれを用いてもよい。22点満点で、17点から22点が正常である可能性が高く、15点および16点が軽度認知障害の疑いがあり医師の診断を要すとされ、14点以下はより深刻な記憶や思考の障害が疑われるため、やはり医師の診断を要すとされている。
信頼性はMMSEに引けを取らないらしい。
最近はコンピュータを使った自己診断もあるが、上記のリンク先の記事によると、現在の高齢者にはそうしたITに抵抗がある方も多く、コンピュータを使ったテストはそうした方々に不安を与えることもよくあるという。確かに慣れていない機器の操作をしなければならないとなると、本来の能力が計れなくなる可能性もありそうだ。
どこか、このSAGEの日本語版を出してくれないものだろうか。