定期巡回・随時対応型とケアマネジメント

地域包括ケアについてのシンポジウムを聞きに行った。

今回の制度改正で新設された定期巡回・随時対応型サービスの話が中心となっていたが、その中で、介護支援専門員協会の方が、現場の居宅ケアマネの声として次のような意見を挙げていた。

1. 定期巡回・随時対応型サービス契約者が、何か困ったことがあった時に直接事業所に電話し訪問を依頼するとなると、居宅ケアマネの知らないところでいろいろなことが行われるようになるのでは。
2. 現在でもヘルパー、訪問看護師の数は充分とは言えず、ニーズに合わせた時間にサービスを入れられない。定期巡回・随時対応型でも同じことではないか。
3. 事業所でアセスメントを行う看護師に、地域のその他の社会資源をも含めた支援をという居宅ケアマネの考えを理解してもらえるのか。
4. そもそも24時間対応のできるヘルパーの人材を確保できるのか。
5. 包括報酬となると、サービス提供量を抑制する事業所も出てくるだろう。誰がそれを監視するのか。
6. 事業所の計画作成責任者と協働でのケアマネジメントがイメージできない。

なるほどー。
確かに、これまでも地域に存在する社会資源を活用して在宅の方の自立を支援しようと頑張ってコーディネートしてきたのが、自分の知らないところで多くのことが行われるようになるのには不安があるだろう。

地域包括ケアが持つ、身体状況の変化に合わせて必要なサービスを地域資源の中で組み合わせて利用することで、住み慣れた地域での生活を継続していくというイメージ自体は、とても望ましいものだと思う。自宅からサービス付き高齢者向け住宅などに住み替えても、それまでのサービスを継続していければなおさら。
だが、1つの事業所が介護と看護を包括して提供する、しかもケアマネジメントのかなりの部分を提供事業所内で行うというのは、これまで施設が行ってきたことをそのまま在宅へシフトしているだけとしか思えない。実際、その他の介護保険サービスを含む社会資源を使いにくくなるのではないか。
それよりは、多くのサービス事業所、その他のインフォーマルな社会資源を活かせるようなソーシャルワークの機能を強化していく方が……って、それは地域包括支援センターに期待したものの、一向に叶わなかったことか。そうかそうか。

定期巡回・随時対応型サービスに参入、すでにサービスを提供している事業者の中には、利用者宅にモニター端末を設置し、利用者からの呼び出しにテレビ電話のように応答するだけでなく、事業所側からの操作によって、利用者宅の室内の様子を映し出すことができるようにしているところもあるらしい。
まさに施設の「巡視」である。もうこうなると暮らしている場所が自宅なだけで、提供しているサービスは施設と変わらない。
在宅にいながらにして施設の安心を。それがこのサービスの目指す形なのか?

それは良いことなのか悪いことなのか。
いずれにしても、地域包括ケアの、地域の様々な社会資源を組み合わせるというイメージからはかけ離れている気がする。
その最大の原因は、事業所が行うケアマネジメントが、果たしてソーシャルワークたりえるのかという点にある。現在の施設ケアプランに、それができていないのと同じように。

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