お出かけの優先順位

行事やレクとして行う外出について。

うちの施設では、お花見などは基本全員参加で、何日かかっても皆さんをお連れする。しかし時には、「全員は無理だけど、少人数なら行ける」というお出かけをすることもある。
どこそこで季節の花が見頃を迎えているとか、蛍が沢山見られるので、夕食後にちょっと行こうとかいう場合だ。

ちなみに、入居者さんの側から頼まれて買い物などの外出に付き添う場合には料金をいただくが、こちらからお誘いする場合は料金をいただいていない。

もちろん、どんなお出かけであっても、できれば入居者さん全員をお連れしたい。しかしそれだけの大がかりな計画が立てられなければ、まことに心苦しいのだが、こちらである程度声をかける入居者さんを選ばざるを得ない。
その基準は、あくまで私個人のものだが、以下のようなものである。

1. ケアプランに、外出の内容と目的が具体的に盛り込まれている方。
「花が好きなので、季節の花を見に行く機会を設け、見聞してきたものを詠み込んだ俳句を作っていただく」なんていう援助内容の方がいれば(実際には現在そこまで具体的な方はいないのだが)、季節の花を見に行く機会には優先せざるを得ない。
うちの施設では、ケアプランは私一人が立てているのではなく、もう一人ケアマネがいるし、介護職員にも原案を作ってもらっている。なので、私が自分で立てたプランに基づいて自分で選んでいる、というわけではない。

2. 出かける先と入居者さんとの関係性。
例えば動物園に出かけるついでに、そこの近くの、入居者さんが住んでいた家(今では空き家)にちょっと寄ってみようか、などという時。
また、蛍を見に行こうという時などは、真っ暗な中での移動となるので、職員から離れてどこかへ行かれてしまう危険性があったり、「待っていてください」と言われても待つことができなかったり、車椅子から立ってしまう方などは、事故防止の点から、申し訳ないがお誘いするのは難しくなってしまう。

3. 最近外に出る機会の少ない方。
前回のお出かけからは残念ながら漏れてしまったものの、行きたい素振りを見せていた方は、埋め合わせの意味も込めて優先させていただくことがある。
あとは、普段ご家族さんと出かける機会のない方も、それを考慮させていただく。

4. 外出の好きな方。
どうせなら、出かけると必ず楽しそうにされている入居者さんの方が、すぐに「もう帰ろう」と言われる方よりはお連れしたいと思ってしまうのは人情というものだろう。

5. ご家族さんがとても喜んでくださる方。
イヤらしい話だが、これも全く影響していないと言えば嘘になる。
もちろんそれほど大きな理由とはならないが、最後の一押しになるという程度には影響することもある。

6. 年齢や病状など。
これがこの方にとって最後の機会になるかも……と思えば、また来年以降にも行けそうな、お元気な方を後回しにさせていただくこともある。

認知症のあるなしはそれほど考慮しない。
もちろん認知症のない方であれば後々までずっと覚えてくださっていて、「あの時はありがとう」と言ってくださったりして、それはとても嬉しいものだ。
しかし認知症のある方で、出かけられたことはすぐ忘れてしまうとしても、その時に楽しい、嬉しいと感じていただけたことは心に刻まれ、決して無意味ではないと思う。認知症があるからこそ、特にこうした支援が必要とも言えるのだ。

お連れできる、できないという不公平感は、お出かけの回数そのものを増やし、全員が一年のうちに何回かは行けるようにすれば軽減されるだろう。

残念なことに、最近はお出かけの機会が減ってきている。
もっともっと、皆さんを外へ連れ出したい。

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