居宅サービス計画書の新様式案

昨日のエントリに続き、介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する調査研究について。

この報告書では、新しいケアプラン様式が提案されている。
現在のケアプランの様式では、なぜそういう課題を導き出したかの根拠や、総合的な援助の方針の背景にある情報が記載されないし、介護予防の様式との統一も望ましいことなどが、様式を変えたほうが良い理由として挙げられている。

まず「課題整理表」として、ケアマネジメントのプロセスにおけるアセスメントの部分も記載されるようになっているのだが、あくまでアセスメントの一部でしかないので、これをもってアセスメントの全作業に代えることができるわけはない以上、ケアマネの作業量は確実に増える。
しかし、現在のアセスメントの方式では、こうやって課題を整理するプロセスは含まれない(もちろん私は全ての方式を知っているわけではないが)ため、行うことはそれなりに意義がありそうだ。
ただ、煩雑なのは確か。

そしてメインの居宅サービス計画書だが。
一言でいえば、サービス内容が細分化されている。結果、一つのニーズに対して、サービス内容が5つ以上ということがざらで、10以上ということさえある。
それにより、ニーズの数自体は増えていないのだが、計画書の枚数が増えている。

これを見て思うのは、一体誰のためのケアプラン様式なのか? ということ。
これまでは、ケアマネ・事業者・利用者間で暗黙の了解としてプランには記載されなかったようなことも全て書かれる。「デイへの送り出し:家族」なんていうサービス内容さえあるのだ。
そのせいで確実に見にくくなっているし、ざっと見てポイントもつかみにくい。利用者さんやご家族さんは、これを一つ一つ説明されても全て右の耳から左の耳で、頭に残りにくいのではないか。

結局は第三者が評価しやすいように、ということしか考慮されていないように思える。

そして評価表。これは、モニタリングについて様式が定められただけなので、どうということはない。サービス種別にまとめるようになっているのはいいかもしれない。

そしてモデル事例が8例挙げられている。頑張ったものだ。
報告書の本文中で、ADLの改善可能性が高い事例でも訪問・通所リハビリの利用が少ないと言っておきながら、参考プランでもやっぱりリハビリではなく通所介護になっていたりするのはご愛嬌、かな?

一番ツッコミどころが多いのは事例8だろうか。
誤嚥のリスクがあるということで、短期目標に「飲み込みやすい食事を工夫する」というのが挙げられているのだが、それって誰の目標?
また、介護負担軽減のためにショートを利用すること、それはもちろん無理せずに在宅介護を続けられるようにという意味で本人にとっても良いことなのだが、それについてはメインのサービス計画書に記載されていない。いいの?
それにサービス内容も、例えばデイサービスで「環境設定、アクティビティの提供、送迎(軽介助)」と書かれているだけだったりと、具体性がまるでない。

結局、理想を語るのは楽だが、説得力のある事例は作れないのだ。
介護に関しての実践的な知識がなければ。

本当に誰のための様式変更なのか。それが全て。

それに個人的にも、できるなら今の様式から変えないで欲しい。
居宅サービス計画の様式が変われば、施設サービス計画だって変わる可能性が高いし、そうなったらAccessで自作したケアプラン作成データベースのテーブル、クエリ、フォーム、マクロ全部作り直しになるじゃないか!
それにいったいどれだけの労力がかかると……


2011.08.27追記:
新様式案については、エントリ「ケアプラン新様式案への反応」もご覧ください。

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