可哀想と思うこと

今月も無事に月次業務(請求とご家族さんへのお便りの作成)が一段落した。
よかったー。

さて。今日、一人の女性職員が退職した。
まだ入社して数ヶ月ほどしか経っていなかった。確か。

直接の退職理由は、家庭の事情だったような気がするが(私は管理者から聞いたのだが覚えていない)、うちの施設のケアへの不満も強くあったことは確かなようだ。

例えば、こんなことがあったらしい。
最近食事を食べるスピードが遅くなり、皆さんがお部屋に戻った後に独り食堂に残って食べていた方に対して、調理職員や介護職員が「早く食べてくれない? いつまでも片付かないんだけど」などと言ったらしい。
それを聴いていた彼女は耳を覆いたくなったとのこと。

言うまでもないが、「早く食べて」などと口にしたこと、そして入居者さんの食事よりも片付けを優先したこと、共に言語道断である。
そんな勘違いしたことを口にする者が少なくとも2名以上うちの施設にいるというのは、恥以外の何ものでもない。何らかの方法で反省を促さなければ。
全く、お恥ずかしい話だ。ただ、このままで終わらせないためにもここへ書いておく。

管理者と介護事業部門責任者は、彼女から直接こうした話を聞いて、その職員を引きとめようとしたようだ。まあ、少なくともまともな感性を持っていることは確かなので、「早く食べて」なんて言う者よりは適性はあるかもしれない。

最近、右胸に大きな痣ができてしまった入居者さんがいる。認知症と言語障害のため、その原因はわからない。
昨夜、その退職する職員から、「どうして何もしてあげないんですか? あんなに大きな痣ができて、明らかに腫れているのに。○○さんが可哀想で」と言われた。
痣ができたことは管理者より聞いていたにもかかわらず、私は忙しさにかまけて自分の目で見ようとしなかった。それは反省した。そこで今日患部を見せていただいた。
乳房の大きさが左右違っているので腫れているような印象を与えるのは確かだが、腫脹や膨満ではなさそうだ。痛みを訴える箇所もないので、経過観察とした看護師の判断は間違っていないと思う。

もちろん、そんな痣ができること自体ただごとではないのは事実。原因究明は不可能だろうが、だからといって「しょうがないよね」で済ませていいわけはない。
実際、虐待の可能性だってなくはない。もちろんうちの施設でそんなことをする者はいないと信じているが、手荒い介助によってどこかへぶつけたという程度のことはあり得る話だろう。
(「早く食べて」なんて言うのも充分に広義の虐待に含まれるが、そのことはおいておくとして。)
これも大きな恥だが、やはりこのままで済まさないために書いた。

私は痣に対しての正常な感性が麻痺していた。それに改めて気づかせてもらったことも感謝したい。

しかし、その職員が退職することに関しては、私は惜しいとは思わない。

残念ながら、現在の我が国の高齢者福祉の世界では、どんなに優れたサービスを提供している事業所であっても、そこを利用される高齢者が「可哀想」と思えることは多かれ少なかれ存在する。
可哀想と感じることなんて誰にだってできる。大切なのは、可哀想だと感じた時に、「もっとこうしてあげたい」と思い、努力することだ。

もちろん、自分だけがそう思っても、施設全体を変えていくことはできない。管理者や経営者がどうしようもなく腐っていればなおさらだ。そうであれば、転職するのもやむをえない。
しかし少なくとも、うちの施設の管理者と介護事業部門責任者の介護に対する姿勢はいたってまともである。彼女の言葉に胸を痛め、うちの施設を一緒に良くしていきましょうぐらいのことは言っただろう。実際、いくらでも変えていくことはできるはずだ。うちの施設の職員は、決して「早く食べて」なんて言う愚か者ばかりではない。

それでも退職するのは無責任でしかない。繰り返すが、「可哀想」と言うことは誰にでもできるのだから。

だから、辞められても惜しくはない。
私はそう思った。

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