入浴は夜に

昨日のエントリを書いていて、「入浴は確か昼よりも夜の方が良いっていう根拠があったんじゃなかったっけ……」と引っかかったものがあった。

そこでネットで調べたところ、夜間入浴が、その後の睡眠に良い効果を及ぼしているとの研究が見つかった(堤雅恵、小林敏生「催眠深度測定指標(BIS)を用いての夜間入浴の睡眠への効果の検討―老人保健施設入所者を対象として―」、2002年)。
直接この論文を見られるページは見つからなかったのでリンクは貼れない。

そうそう、以前の職場で、夜に入浴したらぐっすり眠れるようになるのではないかという理由で夜間入浴を始めようとしたものの、結局ダメ出しされたんだっけ。それ以来思い出しもしなかった。
お恥ずかしい話だ。だがこうしてブログに書いておけば、もう忘れることはあるまい(^-^;

不眠に悩まされる高齢者は多い。そうした方が薬に頼る前に、まず夜間の入浴を試みることができたら、それは素晴らしいことだ。

さて、これで終わるのも何なので……

私たちは、入居者さんが夜間よく眠れるように、と考える。しかし夜に眠ることは本当に大切なことなのだろうか?
夜間の睡眠と、それが心身に与える影響について考えてみる。

睡眠時間は7~8時間が適切な長さで、それより長くても短くてもうつ病のリスクが高まる(日本大学医学部専任講師兼板佳孝ら、2006年。参考リンク)という研究がある。これは高齢者だけを対象とした研究ではないとはいえ、2万5千人を対象とした疫学的なものなので、エビデンスとして良さそうだ。
また有名なものとして、カリフォルニア大学サンディエゴ校のクリプケ教授らの2002年の研究では、睡眠時間が7時間前後の人が最も死亡率が低かったというものがある。

高齢者では早朝覚醒が多い(これはソースを示さなくても一般に認識されていることであろう)ことを考えると、5時に目が覚めるとして、そこから7~8時間を遡ると21~22時となる。これが、一般的に高齢者に望ましい就寝時間とみていいのではないか。つまり、それより早い就寝はあまり好ましくないことになる。
うちの施設でも、自己管理ができる方の中には、このぐらいの時間に眠りにつき、目覚めている方もいる。しかし自己管理の難しい方は、もっと早い時刻に職員によりベッドへ誘導されているので、見直す余地はありそうだ。

また、朝起きられない方。
朝、太陽光を浴びて14~16時間後に睡眠を促すホルモンであるメラトニンが分泌される(これも一般に認識されていることだろう。ググってみたら看護師国家試験に出題されていた)ので、仮に朝9時まで寝ているとなると眠くなるのは23時以降となる。これでリズムが保たれているなら、それもそれでありかなとは思う。しかしこれだけ朝寝のできる高齢者は、前夜の眠剤が残っていることを疑った方が良さそうだ。眠剤なしで寝起きの悪い高齢者には会ったことがない。

ということで、睡眠についてはこうした事実も頭に入れておいた方がいいだろう。
睡眠時間についての習慣はせいぜいここ数世代のことだが、人類は長い間ずっと、日の出とともに起き、日没とともに眠ってきたのだろうから。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中