特養の内部留保

キャリアブレインにちょっと面白い記事が載った。
下記にリンクを貼っておくが、例によってログインしないと読めないかも。ごめんなさい。

どう見る?特養の内部留保・上 池田省三氏- 「職員の待遇改善と未来への投資に活用を」
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37027/page/0.html

どう見る?特養の内部留保・下 菊地雅洋氏- 施設経営に不可欠な「繰越金」
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37023/page/0.html

昨年末、特別養護老人ホームの一施設あたりの内部留保の平均額が三億円に上るという報告がなされた。それは介護給付費分科会にも提出され、当然今回の報酬改定にも影響を与えているだろう。

制度を作る立場にある者と事業者と。それぞれの立場の違いからくる主張はどちらも概ね理解できる。とはいえ、内部留保としてそれだけの蓄えが本当に必要なのかどうかが示されていないので、現状では「それぞれの立場から言いたいことを言っている」に過ぎない。

と思っていたら。

老施協、特養内部留保の実態調査へ
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37060.html

老施協(老人福祉施設協議会)が調査に乗り出すらしい。さてどういう結果が出てくるのだろうか。

特養が利益を不当に溜め込んでいるとはもちろん思わない。事業者側の方が説明しているように、それは純粋に人件費や施設の維持・改修の費用としてなのだろう。それが妥当な額なのかはこれからの検証を待つとして(と言ってもまあ、来るべき改修の費用が正確にいくらになるかなんて計算できるはずもないのだが)、溜め込むこと自体は無理ないことだと思える。

しかしちょっと気になったのは、事業者側の方が「役員報酬を支給していない施設がほとんど」と述べていること。これは本当なのだろうか? 私がこれまで属していた法人の例を鑑みるに、俄かには信じがたいが。いずれも「ほとんど」に入らない、少数派に属することになってしまう。
ネットで決算報告書を公開している施設は多いが、社会福祉法人会計では役員報酬は職員俸給らと一括りにされて「人件費」とされているので、うちどれほどが役員報酬なのかは判断できない。本当のところはどうなのだろう。

一般企業であれば、役員報酬が誰にどれだけ支払われようと、それはその企業の自由。しかし介護の場合、報酬の源は税金なのだから、名前だけの理事やコネで役職に就いた無能な管理者に多額の報酬が支払われるべきではない。
役員報酬を監視することも、間接的に介護職員の待遇を向上させる効果が充分ありそうな気がするが、さて。

私の印象としては、この記事内で事業者側の方が自らの法人について述べていることは、全て事実なのだろうとは思う。しかし世の中の社会福祉法人の全てがそんな健全な運営をしているとは信じられない。むしろそんな健全さとは程遠いところの方が多いように思える。
今のまま、特養に対する厳しい態度を改めよと国に主張しても、やはり説得力が低いのではないか。単純に介護報酬を上げると、悪質なところがますます儲けるだけになってしまう。

それと。
事業者側の方が、3年ごとの介護報酬改定で実質的なプラス改定はまだ1回しかなく、これでは経営者が内部留保の確保に走っても仕方ないと述べているが……
これは全くその通りだと思う。気持ちはよく分かる。
でも事業者がそれを言っちゃ拙いんじゃないのか? これはつまり、制度が信頼できないということだから、たとえ次回の改定で介護報酬がプラスになっても、それによって内部留保を減らしたり、職員に還元することはないと自ら宣言しているのと同じなんじゃないの?

調査結果が公表されるのを待つとしよう。

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