介護保険料と財源

3/30、第5期(H24~26)の介護保険の第1号保険料についての集計値が厚生労働省より公表された。

第4期(H21~23)の全国平均が月4,160円だったのに対し、第5期では4,972円。実に19.5%の上昇である。

介護業界の方はもちろんご存知だろうが、一般の方もご覧になっているかもしれないので一応整理しておく。
介護保険の財源は、全体を100とすると、国および自治体の負担が50(居宅サービスでは国が25、都道府県が12.5、市町村が12.5)、保険料が50である。保険料のうち、1号被保険者(65歳以上)が保険料として払っているのは17程度。残りの33ぐらいは40歳から65歳までの2号被保険者の保険料だ。

2号被保険者は保険料を支払ってはいるが、要介護状態になったからといって必ずしも介護保険の給付対象とはならない。対象となるのは特別に認められている疾患のみであり、要介護認定率は0.2%。つまり40歳以上65歳未満で介護保険の給付を受けているのは全体の0.2%に過ぎないわけだ。
ということは、実質給付を受ける人が支払っている保険料は財源の17%で、残りはほぼ税金みたいなものなのである。これが介護「保険」の実態。
私は社会保障について詳しいわけではないが、これでも社会保険と呼べるのだろうか?

さて、財源に占める保険料の割合が決まっているということは、財源が足りなくなったからと言って保険料を上げれば解決、とはいかない。国や自治体の負担も増えることとなる。
介護保険施行時に、社会保険形式にすることのメリットとして、「給付と負担の関係が明確になる」というのが挙げられていた。つまり、先々介護給付費が増大した場合に、保険料を上げることへの理解が得やすいというわけだ。

しかしこれから先、この調子で給付費が増えるのに合わせて保険料を上げていくのには限界がある。結局は税の占める割合が増えていくのだろうし、そうなると社会保険としての体裁も危うくなる。
そのため、障がい者福祉も介護保険内に取り込んで、同時に保険料をより広い年代から集める……という方向に進んでいくのかと思っていたが、そっちの議論って今どうなってるのかな。

ところで話は全く変わるが、保険料の集計と同時に厚生労働省より出された新サービスの実施見込みについて。
2012年度に定期巡回・随時対応サービスの実施を見込んでいるのは全国保険者1566のうち190。2013年には284、2014年度には330と増やしていきたいようだが……
とりあえず本年度中は12%の保険者しか計画していないわけね。もちろん保険者が計画して募集をかけても、事業者が名乗りを上げないところだってあるだろう。

学者と官僚が作り上げた新サービスが、ほとんどの事業者からNoと言われてしまうことになるのか……
どうなるのか興味深い。

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介護保険料と財源」への2件のフィードバック

  1. 介護と障害の統合論は一旦無くなった話です。今、障害の側では自立支援法の改正論議をやっていますが、そこでは介護との統合ということにはなっていません。
    定期巡回・随時対応は、厚生労働省の担当者も「都市型」と公言していたと思います。地方の小規模市町村では難しく、保険者数で見ると少なくなるでしょう。報酬の単位数は多く、それでいて基準も厳しくないので、都市部ではそれなりに広まるかもしれません。

  2. >介護専用様
    ご教授ありがとうございます<(_ _)>
    そういえば障がい者の側は今、つなぎ法案で繋いでて、25年までに新しい法律を作る、んでしたっけ?
    定期巡回・随時対応については、「都市型」というのはなるほどですね。
    でも、確かに報酬の単位数は多いものの、介護度が低いうちは必要サービス量が少ないので利用者さんには通常の訪問介護やデイサービスが選ばれてしまい、介護度が高くなれば包括報酬では事業者の持ち出しが多くなってキツい、となるように思えるんですよね……
    コメントありがとうございました。またよろしくお願いします。

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