介護業界の人材不足は深刻だ

介護業界の人材不足(人手不足、ではなく)の問題はこのブログでも何回か触れてきているが。

それは見かけ以上にはるかに深刻である。

「見かけ以上」というのはどういうことかと言うと、

「本当だったら『今日で辞めるか明日から心を入れ替えて働くかどちらかにしろ』と言いたい職員がいても、辞められたら現場が回らなくなったり人員配置基準を満たさなくなってしまうので、厳しく言えない」

という状況がまかり通っているからである。
このため、本来なら勤めているべきではない職員が業界内に少なからずいる。その者たちに一斉に職から離れてもらえば、残された職員は過労で倒れるだろうし、そもそも人員配置基準を満たせなくなるところもあるだろう。

介護職員は、資格や経験があれば新しい職場を見つけるのに大して苦労はしない。どこの事業所も人手(この場合は人材ではなく)が足りていないのだから。であれば、気に入らないことがあれば今の職場を辞めてしまうかもしれない。
そのために厳しく指導することをためらってしまう現場のリーダーを、私は何人も見てきた。

もちろん、この結果最も大きな不利益を蒙るのは利用者さんたちである。質の低い職員のケアを受け続けなければならないのだ。
このところ介護施設での虐待事件の報道をよく目にするが、その背景にはこうした事情が関与しているということはないだろうか? つまり、周囲の人間だってその職員が介護の仕事に向いていないことを知っていたにもかかわらず、辞められると現場が回らなくなったり人員配置基準を満たさなくなったりしてしまうので、任を解くことができずにいた。その結果、不適切なケアが続けられ、挙句の果てに虐待にまでエスカレートしてしまった。というように。

まあ虐待というのは極端な例であり、そこまで至る職員はほんのごく一部だ(と信じている)が、虐待とまではいかなくとも利用者さんたちにとって好ましい状況ではないのは確か。
人材が足りないとこうした事情からもサービスの質が低下していくのである。早く何とかしないと、これから先もどんどん質は落ちていってしまう。

本来であれば、職に就いた時には、まず3カ月程度の試用期間をおき、職員の適性をしっかりと見極める。良ければ非正規職員として採用、3か月程度を目安に契約を更新していき、この者は適性に欠けると思ったら契約を更新しない。そうして周囲から信頼されるようになったところで正規職員とする。こうした手順を取るべきだ。
だがどこも人手が足りず、こうしたステップを踏んでいられない。職員をつなぎとめておくために、急いで正規職員に切り替えたりせざるを得ない。
開設したての施設などもっと極端である。数年程度の経験かヘルパー2級程度の資格でも正規職員とすることで人手を確保しないと事業が始められない。

普通の仕事なら、人手が欲しければ給与を上げ、他所よりも条件を良くして人を集める。人が集まれば生産性も上がるので、人件費の上昇分はそこからカバーされる。
しかし介護の仕事は、どれだけ優秀な職員を雇っても生産性は上がらない。定員と介護報酬が定められているためだ。そのため給与を上げると経営が立ち行かなくなる。

今でさえ人手が明らかに足りていないのに、施設はまだまだ増えている。そういう整備計画を作っている自治体は、その分の職員は地面から生えてくるとでも思っているのだろうか?
この調子だと、適性に欠ける者がどんどん雇用され、質の低いサービスが広がっていくだけだ。

まあ本当にいい職場なら、一人が辞めても替わりはすぐ見つかるはずである。
うちもそうだ……と言えればいいのだがそうでもない。だってうち、給料が安……

あっこれ言っちゃダメだった!☆ウフフ☆オッケー☆バイバーイ☆

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