介護士を増やすためには

うちの地域では週に1回、新聞に求人特集が挟み込まれる。

私は現在求職中ではないが、求人特集には必ず目を通している。介護の求人は多いので、その内容から地域の介護事情を知る一助となるからだ。

このところうちの地域では、特に小規模特養が増えている。そうしたところの求人広告も多い。また既存の施設だって、人手が潤沢なところなど少ないだろう。しょっちゅう求人広告を出している事業者も少なくない。

行政も職業訓練を行い、ヘルパー資格取得に助成金を出すなどしているわけだが……効果の程はどれだけあるのだろうか、とちょっと思った。

実際にそうして資格を取った者のうちどれだけの人が介護の仕事に就いたのか、その統計的データを見たことはない。しかしヘルパー/福祉用具専門相談員/介護事務員の養成校で講師をしていて耳に入ってくる限りでは、資格の取得が必ずしも就職に結びついていないように思う。

「職業訓練でできるのでとりあえず資格は取ったが、どうも自分には合いそうもないのでやめようと思う」
「実習でいろいろと現実的な話を聞いた。男は雇ってもらいにくいというし、そもそも収入が低すぎて生活していけない。諦めて別の仕事を探す」
「以前介護施設で事務をしていて、ヘルパーも興味があって資格を取ったが、志望はあくまで事務職なので、業界内で見つからなければ他の業種での事務の仕事をするつもり」

まったく、税金を何ていうことに使ってくれてるんだか。無駄遣いもいいところだ。
そんな金があるなら、現在勤めている者に配分して、介護職の魅力を高めた方がずっとマシなんじゃないか。

実際、職業訓練を終えて就職しても、続かなかったり、成長が見られなかったりする人は残念ながら多い。その結果、私がこの仕事を始めた頃よりも、介護職員の質は全体的に落ちている。
結局、「他に仕事がないから介護の仕事でもしよう」という程度の動機では続けにくいのだろう。もちろん、最初は仕方なく始めたものの、やがて自分に向いていることが分かって成長していく人もいないわけではない。しかしいかんせん効率が悪い。

入口のハードルを低くして入りやすくしても、結局は出ていく者も多くなってしまう。それよりもとにかく介護職の魅力を上げて、専門学校への入学者数を上げるようにしなければ、この業界はどうにもならないように思う。

介護職員の処遇改善は、これまでの交付金や、4月以降の加算という形では効果は低い。これは厳然たる事実。
こうした交付金・加算の用途はかなりの程度事業者の裁量に委ねられているし、事業者は今後介護報酬がさらに下げられることを警戒して、蓄えに回さざるを得ない。制度そのものが信頼できないのだから仕方がない。それを責めることはできないと思う。
その結果、「事業者は必要以上に利益を貯め込んでいる」とみなされてさらに介護報酬が下げられるのだから、こんなことをいくら続けていても介護職員の待遇なんて改善されていくわけがない。

処遇改善金は、事業所が毎月就労証明書を発行→各職員がそれを持って役所に行き直接受け取る、といった方式にでもできないものだろうか。

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