床対応

うちの施設で、初めて床対応をさせていただいた。

床対応というのは、主に認知症のため危険認識ができず、ベッドでは、立ち上がろうとして転倒したり転落したりする危険の高い方に、床の上に布団を敷いて寝ていただくことである。もちろん施設や人により呼び方は異なっているだろう。

床から立ち上がるだけの力のない方であれば、立とうとして転んでしまう可能性は低くなる。しかしこれは同時に、ベッドからなら立ち上がれる方を立てなくしているということで、身体拘束となってしまう可能性もある。そのため、安易に導入すればいいというものではない。
また、ベッドよりも這って移動できる範囲が広くなるため、新たに様々な危険が生じる。例えば、箪笥の引き出しをつかんで引き出しごとひっくり返るなど……危険はどこにでも転がっているものだ。

うちの施設で今回行うことになった最も大きな理由は、その方がご自宅では畳の部屋で、寝たり起きたりの、主に這って移動する生活を長く続けてこられたことだ。

その方は、脳梗塞後遺症のため言語障害があり、訴えの多くは言葉にならない。そうしてベッドや車椅子から床に降りようとされる。立とうとするのではなく、ゆっくりと。これは昼夜を問わず、夜間も眠れずに繰り返されることが多い。
昼夜逆転ぎみなので、なるべく日中は起きて活動していただきたいのだが、食事やお茶が終わるとすぐにお部屋に戻ろうとして、車椅子から降りようとされる。職員のお勧めやお願いには耳を貸されず、活動の支援ができない。
これまではベッドサイドにナースコールに連動するセンサーマットを敷かせていただいていたが、床に下りるスピードが速く、職員が駆けつけても間に合わないことが増えてきた。立つのではなく床に下りるので、幸い大きな怪我には至っていなかったが。

長年の生活習慣から、ベッドや椅子に腰かけた姿勢では落ち着かないのではないか、そう考えたわけだ。
実際、スタッフによっては、食堂脇の畳敷きの談話スペースにお連れすると落ち着く、という者もいた。変わらないよ、という者もいたが。

生活習慣なのであれば、尊重したい。

そうしてフローリングの床の上にコタツの敷布団を広げ、その上にベッドのマットレスを敷いて寝ていただくようになって、今日で10日ほど。
これまでのところ、這って移動しようとされるのは以前とあまり変わらない……というのが正直なところだ。

環境が変わったばかりなので、今は余計に混乱されているのかもしれない。もう少し様子を見て、今後の対応方法を考えていこうと思っている。

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