ちょっと待って

利用者さんに「ちょっと待ってくださいね」と言うのはよろしくないとされる。

この「ちょっと待って」にはいくつかのシチュエーションがある。
まずは、利用者さんから声をかけられた時。

自分の身に置き換えて考えてみると、確かにその言葉には、自分が後回しにされた、おざなりにされたと感じさせるものがあるし、「ちょっと」ってどのくらいだよ、とも思う。なので、なるべく用件だけはお聞きしておくことと、「あと2分で戻ってきますね」などと具体的に数字を上げるようにしているが、それで待てる方や覚えていられる方ばかりでもないので、なかなか難しいところだ。
残念ながら、どんな時でも利用者さんを絶対に待たせない、という対応は無理だ。現在の職員配置数では。

次いで、利用者さんと一緒に何かをしていて、一時的にその場を離れなければならず「ちょっと待ってくださいね」と言う場合。
これは、状況によっては、利用者さんだけでなく職員にとっても危険なこともある。

グループホームで、利用者さんにリビングルームで待っているようにお願いし、職員がその場を離れ浴室で準備をしていたところ、その方がトイレに行こうとして転倒、骨折した事故についての判例がある(こちらを参照)。
上記ページには書いていないが、この例では、グループホームは損害賠償として400万円の支払いを命じられている。

その方の心身の状態やその時の状況が詳しくはわからないので断定はしないが、注意義務違反というのは酷ではないかというのが私の感想だ。
もしも普段からトイレに行くことが頻繁で、かつ立ち上がりや歩行が常時見守りが必要なほど不安定であったなら、目を離したのは軽率だと言えるだろう。しかし「歩行を開始したとしてもそれが常に変わらぬ歩行態様を維持」とか言ってしまえば、そんな条件に当てはまる要介護高齢者など皆無である。
「場面転回による症状動揺」というのも、いかにも後で付けた理屈っぽい。もちろん、場面が変わることで混乱されることがあるのは否定しないが、それが転倒に影響したかどうかは誰にも判断できないことだ。

いずれにせよ、利用者さんにとって重大な事故を招いてしまう可能性があるし、またその責任を我々が追求される可能性がある。
気をつけないと、ね。

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