家に連れて帰れないのは家族のせい?

私が老健の相談員をしていた時、とある大きな総合病院を協力医療機関としているいくつかの老健の代表が集まって、連絡会を開いたことがあった。

その場で、地域最大のグループ展開をしているとある法人の職員が言った。

「いったん病院へ入院となれば、施設は退所という扱いになりますし、その後退院が決まると、病院も家族も当然のように施設に戻れると思うようですが、私たちはむしろ退院は、家族に自宅へ連れて帰ることを考えてもらういい機会だと思っています。なので、必ず戻れるとは話していません。
家族は施設に入れると安心しますが、そもそも老健では継続判定会議で退所と決まった時にも、施設を出ていただくことになります。いずれにしても、機会を見て在宅生活を考えていってもらうのが私たちの役割です」

隣には医師であるその法人の理事長も座っており、この発言に対して何も言わなかったので、これは法人全体の方針であると理解してよいだろう。

当時の私がこれを聞いた時に思ったのは、さすが大きいところは自分たちの仕事のハードルを自ら上げるなあ、うちなんて病院や家族の顔色を伺いながら利用の長期化も良しとしてるのに、というところだった。

上記の発言は、老健の役割としては間違っているわけではないかもしれない。しかしそのためには、ご家族さんに多大な支援を必要とする。

だが、その施設は支援なんてしていなかった。退所です、と伝えて終了。
そうして困り果てた申し込み者が、よくうちの施設にも申し込みに来られた。「考えてもらう」とはそういう意味で、施設から働きかけるわけではないのだ。

言うまでもないと思うが、この法人のやり方は最悪である。困っている方を助けるふりをして食い物にし、必要なくなったら捨てているだけだ。

施設を利用する多くのご家族さんたちに、介護の知識がないのは事実。
それはそうだ、それまで元気に暮らしていた方が突然の脳卒中や転倒骨折などで入院、介護が必要となり、主治医から「退院後もご自宅での生活は大変でしょうから、施設利用を考えた方がいいでしょう」と言われる。医療ソーシャルワーカーに勧められるがままに申し込み、施設に入所された方のご家族さんに、介護やサービスの知識なんて身につくわけがない。

とにかく我が国にはソーシャルワークのできる者が少なすぎる。制度の強力な後押しもないので、病院も施設も地域包括支援センターもこの分野に力を入れられない。
これもまた問題だ。

そういえば医療ソーシャルワーカーも一度はやってみたい仕事の一つだ。給料が安すぎて、とても転職はできないが……(^-^;

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