介護事業経営実態調査・概況調査

厚生労働省は、介護報酬を決める際の参考とするための調査を行っている。

厚生労働統計一覧によると、介護事業経営実態調査と介護事業経営概況調査というものがあり、それぞれ以下のように記されている。

介護事業経営実態調査 (平成17、20、23年に実施)

介護保険法では、介護報酬は各々のサービスの平均費用の額を勘案して設定することとしていることから、各々の介護サービスについての費用等についての実態を明らかにし、介護報酬設定に必要な基礎資料を得ることを目的とする。

介護事業経営概況調査 (平成16、19、22年に実施)

介護保険法では、介護報酬は各々のサービスの平均費用の額を勘案して設定することとしていることから、各々の介護サービスについての費用等についての実態を明らかにし、介護報酬改定の骨格(案)作成に必要な基礎資料を得ることを目的とする。

ほとんど一緒なんだけど……
実施年と説明から推測するに、

介護事業経営概況調査
 ↓
介護報酬改定の骨格(案)作成
 ↓
介護事業経営実態調査
 ↓
介護報酬設定

という流れなのではないかと思われる。

ちなみに調査方法は、共に母集団からランダムに抽出された事業者に調査票を送り、記入して送り返してもらうという方法である。調査に協力したことによる謝礼などは一切なかったはず。ここ数年は調査票を目にしていないので、以前の記憶だが。

さて、それぞれの調査の直近の結果から、各サービス別の収支差率を以下に示す。
最初の数字が平成22年の概況調査で、()内は平成23年の実態調査(速報値)である。

・ 介護老人福祉施設………………12.0% (9.3% ただし地域密着型は除く)
・ 介護老人保健施設………………7.8% (9.9%)
・ 介護療養型医療施設……………11.4% (9.7%)
・ 認知症対応型共同生活介護……14.7% (8.4%)
・ 訪問介護…………………………2.4% (5.1%)
・ 訪問入浴介護……………………6.3% (6.7%)
・ 訪問看護…………………………6.0% (2.3%)
・ 通所介護…………………………8.4% (11.6%)
・ 通所リハビリテーション…………2.7% (4.0%)
・ 短期入所生活介護………………7.0% (5.6%)
・ 居宅介護支援……………………△4.0% (△2.6%)
・ 福祉用具貸与……………………12.0% (6.0%)
・ 小規模多機能型居宅介護………6.5% (5.9%)
・ 特定施設入居者生活介護………11.3% (3.5% ただし地域密着型は除く)

平成23年は「速報値」となっているが、報酬改定に間に合わせるために、集まった回答のうちの一部を元に出した値なのかな? だとするとまるで週刊少年ジャンプの読者アンケートだが……(^-^;

ま、とにかくこの数字を見ていると、今回グループホームやデイが特に厳しい改定になっている理由も何となくわかるような。
逆に赤字続きの居宅は、見直された加算取って頑張れと。

ということは、だ。
厚生労働省から調査票が送られてきた場合、大きく利益を出している事業所は調査に協力しない方がいいわけだ。協力すると、収支差率の平均値を上げ、儲けているとみなされて介護報酬を下げる結果を招いてしまうので、自分で自分たちの首を絞めることになる。
逆に赤字となっているような事業所は、とにかく何があっても調査に協力すべきだと。

何か、与えられた予算は使い切らないと次年度の予算が削られてしまうので、年度末に無駄な事業を発注して予算を浪費しなければならないお役所と似てるな。
我々事業者は、努力して利用者さんたちの介護度を下げたり、経費を節減したりすると逆に損をしてしまう。この構造を変えないと、限られた財源を有効に使って、社会全体に良いサービスを行き渡らせるなんて無理じゃないのか。

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ガンダム!?

今日はおバカなお話。介護用品のカテゴリに入れるのも何なのだが……

Twitterで知ったこと。
標準型よりも大きな、いわゆるチルト型とかリクライニング型などの車椅子を、「ガンダム」と呼んでいる施設があるらしい。
「○○さんのガンダムって使いづらくないですか?」などという会話が普通に交わされているとのこと。

確かにそうした車椅子に座っていると、まるでモビルスーツのコクピットに座っているような感じも……しないか(^-^;

ということでこんな画像を作ってみました。

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ネットで拾ったカミーユと車椅子の画像を元に加工しています。
問題がありましたらご連絡ください。すぐに削除します。

それにしてもユニークな施設があるものだ。

相談員と施設ケアマネ

このブログのエントリ数も250に達しようとしている。そろそろ、自分が既に書いたことと、まだ書いていないこととがよくわからなくなってきた。
今日これから書く内容も、似たようなことを既に書いたような気もするが……

施設では、相談員とケアマネの役割分担が曖昧だと言われる。
どちらもその本来の役割は、自分が直接援助を行うのではなく、各専門職間やご家族さん、外部の機関などとの連絡調整にあるのだから、当たり前と言えば当たり前なのだが。

現在多くの施設で一般的と思われる役割分担は、相談員は入退所や渉外、ケアマネはケアマネジメントというところだろう。
しかし入退所にはその後を見据えたケアの調整が、そしてケアマネジメントにはご家族さん等外部とのやり取りが含まれるのだから、両者を厳密に区別することなどできない。

施設においての連絡調整は、もともと相談員の役割であった。しかし介護保険が始まって、施設にもケアマネジメントが導入され、ケアマネジャーが施設に入ってきた(実際には両者の兼務が多かったが)。
そうして今頃になって、施設にはやっぱりケアマネはいらないとか言われ出している。

そうした考えも含め、施設ではどうあるべきなのだろうか。

相談員と施設ケアマネ、両方やってみて思うことは。
ケアマネの資格を取得するには5年の経験と、試験を経ての研修が必要なので、相談員よりはケアマネの方が最低限の資質を保証されていると言える。
しかし相談員が社会福祉士であれば、保証されている知識はケアマネ以上である(双方の資格を持つ私個人としてはそう思っている)。しかしその場合でも、ケアマネジメントについては学んでいないし、経験も保証されない。

ならば。
相談員などという職名を施設の人員配置基準から外して、社会福祉士とケアマネをそれぞれ利用者50名に対し1名以上配置、かつ両者の兼任可、としてはどうだろう?
つまり100床の施設であれば、社会福祉士とケアマネがそれぞれ2名、合計4名必要。ただし社会福祉士とケアマネの両方の資格を持っている者であれば2名配置で済むと。実際、100床の施設でケアマネジメントを行えるソーシャルワーカー2名というのは妥当なところなのではないだろうか。

なんでこんなことを言い出すのかというと……
そりゃ私が社会福祉士とケアマネ持ってるからだ。こういう人が施設でありがたがられるようになったら、そりゃ嬉しいもんね。<おい

とエゴ丸出しで終わるのも何なので……

現行制度下では施設であってもサービスの中心はケアプランなので、ケアプランの「援助内容」の中で完結する部分は相談員の範疇、目標にも関わる部分はケアマネの範疇、とするのが現実的かと思う。
つまり相談員は、居宅サービスで言うところのサービス提供事業所的な見地から連絡調整を行う。ケアマネは居宅のケアマネと同じく第三者的な見地からケアをマネジメントするというわけ。

具体例。
とある方の短期目標が「失禁がなくなる」であるとする。
トイレ誘導の回数やその大まかな時間、使用する用品などは、現場と相談員が中心となって決定する。ケアマネは事後に連絡を受ければそれでいい。
しかし、例えば夜間だけはオムツを使っていただくようにしたいというのであれば、これはもう「失禁がなくなる」ことを目指すのではなく、「失禁をなくそうとトイレに行くことによって生じるデメリットを解消する」ことを目指しているので、ケアマネが調整を行う(もちろん体調不良などによる一時的なものは除く)。

却ってわかりにくいか、これじゃ(^-^;

話は変わるが、施設でも、専門職として自分たちが行うサービスの計画書を各部署(リハや栄養には既にあるので、つまりは看護と介護)に作らせてみたらどうだろうと思ったことがある。だが、さすがにそこまですると書類ばかりが増えることになるよな。
でもそうすれば、介護が医療の下請けでない、自らの役割を自覚する役に立つと思う。どこか試しにやってみないかな。

有料老人ホームの利用者保護規定

2/23の全国介護保険担当課長会議資料の中に、「老人福祉法改正に伴う有料老人ホームの利用者保護規定について」というものがある。

それほど長いものではないので、ここにそっくり引用する(タイプミスなどあったら申し訳ない)。

ア 改正の経緯
有料老人ホームは、入居の際に多額の前払い金等の支払いが要求されることが多く、契約解除や入居者の死亡時にこの前払金などの返還に関するトラブルが発生しやすいことが指摘されている。
こうしたことを背景として、平成22年3月に閣議決定された消費者基本計画では、有料老人ホーム等に係る表示の適正化、入居契約の適正化、関係法令の順守について、都道府県に対する指導の徹底の要請が基本施策の一つに位置づけられ、取組状況について検証・評価・監視が行われることになっている。
また、平成22年12月には、内閣府消費者委員会より、「有料老人ホームの前払金に係る契約の問題に関する建議について」を受け、その中で短期解約特例制度(いわゆる90日ルール)についての法制化・明確化等について対応が求められていたところである。

イ 改正の概要
(ア) 現行の有料老人ホームの設置運営標準指導指針では、90日以内の契約解除の場合に、実費相当額を除いて前払金を全額返還することを規定しているが、老人福祉法には位置付けられておらず、この制度を設けていない事業者が存在していた。こうしたことから、新老人福祉法第29条第8項で、入居後一定期間内に契約を解除、または入居者が死亡したことにより契約が終了した場合の返還義務を位置づけるとともに、具体的には、入居者が入居後3カ月が経過する間に契約が解除され又は入居者の死亡により終了した場合、前払金の額から、家賃等の月額を30で除した額に、入居の日から起算して契約が解除され、又は入居者の死亡により終了した日までの日数を乗じる方法で控除した額を返還することとした。

(イ) 前払い金については、現在においても算定の基礎を書面で明示することとなっているが、家賃やサービス費用などとは異なり、権利金等はその内容が不明確であるため、トラブルの一因となっていた。新老人福祉法第29条第6項で、家賃、敷金及び介護等その他の日常生活上必要な便宜の供与の対価として受領する費用のみを受領可能とし、権利金等を受領しないことを義務づけた。

(ウ) (ア)、(イ)共に経過措置が設けられており、(ア)に関しては、施行日以後に入居した者に係る前払金について適用されることになっている。また、(イ)に関しては、施行日の前日までに旧老人福祉法第29条第1項の規定による届け出がされた有料老人ホームについては、平成27年4月1日以後に受領する金品から適用されることになっている。
なお、法改正の趣旨・内容につき、管内市町村及び事業者等に対して広く周知いただくとともに、理解を促していただくようお願いする。

とのこと。
90日ルールは既にほとんどの有料老人ホームが採り入れていると思われるし(もちろんうちもそう)、権利金などを受領してはいけないことに関しては、これから3年間は経過措置ということで今のままでOKということのようだ。
それでももちろん、3年後には変えなければならない。これまでに入居された方との不公平感がなくなるようにするにはどうすればいいのか……この3年の間に考えるとしよう。

解釈通知案

2月23日、厚生労働省の講堂にて、全国介護保険担当課長会議が開催された。

来年度の制度改正・報酬改定については、関連法案が昨年6月15日に可決・成立し、6月22日に公布されている。今年1月25日には、厚生労働省が社会保障審議会介護給付費分科会に、改定された報酬の額と指定基準の改正概要を諮問。了承が得られている。
そしてこの度、都道府県や政令指定都市の担当者を集め、介護保険や高齢者保健福祉全般に関する国の様々な施策についてと、先だって諮問された報酬や、基準省令の改正案の詳しい内容が示されることとなったわけだ。

昨日までパブリックコメントを募集していたし、それが反映されるかどうかはともかくとしても、まだ変更される可能性はゼロではない。
それでも備えておくには早いに越したことはないわけで。制度改正について頑張って頭に入れるのはこのタイミングだろうな……と思っていたので、これから目を通そうかと思っている。
昨日は咳でそれどころではなかったし……

都道府県および市町村による説明会も、来月に入ってからは立て続けにある。
まあこれまでだって、そうした説明会で新しい情報が得られるなんてことはまずなかったのだが、行かないわけにはいかない。
法人内の他事業所へ改正内容をかいつまんで説明するのは私のお役目なので、居宅サービスの説明会にも出ないといけないし。もちろん月次業務だってあるわけで、来月に入ったらちょっと慌ただしくなりそうだな。