認知症ケアの現在

先日、エントリ「やさしい嘘」へいただいたコメントへの返信として、私はこう書いた。

認知症ケアの理論は日々進歩していますが、現場の環境は全く変わらないので、職員は両者の間で押し潰されそうになっていますよね……
現在の介護の現場では、認知症の中核症状だけの方も、周辺症状が出ている方も、さらには精神疾患の方も、皆一緒くたに「認知症」と呼ばれ、同じケアを受けていることも問題だと思います。
それぞれ、必要とされているものが違っているのに。

中核症状だけの方が最も必要としているのは、できることを続け、できないことを手伝ってもらうこと。
周辺症状が出ている方が最も必要としているのは、認知症により失ってしまった温かい人間関係。
精神症状のある方が最も必要としているのは、医療。

現在はこれらの方々が皆「認知症」と一括りにされて、同じケアを受けている。

その結果、精神科病棟や認知症対応療養型に、精神症状のない認知症の方が入って、できることを取り上げられたり、人間関係がますます希薄化してしまった結果、却って状態が悪化し入院が長期化する。
病院が満床で入院することのできない精神症状のある方は、やむなく介護保険施設やグループホームに入所したり、サービス提供を断られて入所することもできず、いくつもの事業所を転々としている。

それらに勤める職員も、本来求められている目的と異なった支援を行うことを強いられ、疲弊している。

中核症状だけの方は在宅でサービスを使うかグループホーム、周辺症状が出ている方は老健の認知症専門棟、精神症状のある方は精神科病棟や療養型、というように分かれ、それぞれに合ったケアを受けるべきではないか。

そして、精神科病棟で精神症状が軽減したら、療養型や老健へ移る。
老健は周辺症状を軽減させ、在宅復帰やグループホームへの入居を支援。
グループホームや居宅サービスは、認知症の進行を少しでも遅らせるような支援をしつつ、生活の質を高める。

そのために必要なのは、正しい認知症の診断と、その方に合った適切なサービスの紹介である。
物忘れ外来や地域包括支援センターなど、そうした役割を担えるようになっていくといいなと思う。

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認知症ケアの現在」への2件のフィードバック

  1. 家に帰れないし入院も出来ない色んな人々が、結果的に老人施設に集まっちゃった…と言うの現状です。
    不潔行為、暴力、精神症状、社会と隔絶された閉鎖的な空間で常に発生している不条理な修羅場の数々。
    穏やかだった方も、ストレスで精神的バランスを崩して行く現実…
    国が行う老人福祉の限界を感じると同時に、老後の経済的自立の重要性を思い知らされます。

  2. >認知症専門棟職員様
    いつもありがとうございます<(_ _)>
    私が勤めていた老健の認知症専門棟もそんな感じでした。在宅は無理、GHは入れない、特養も待たされる、入院はできない……そうなると一番入りやすいのは老健ですものね。
    本当に日々お疲れ様です。

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